無意識さんとともに

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鬱からの回復(回復へのロードマップ)18 【催眠】を解く催眠3 自分で創る物語

私は、鬱や精神症状は、支配者の、祝福でもあり呪いでもある物語を唯一絶対の正しいものとして信じてそこから脱することができないということが、少なくとも一つの大きな原因ではないかと思っています。

 

夏目漱石は鬱で苦しんでいたことは有名です。

しかし、漱石は小説を書くことで、「則天去私」という境地に辿り着いたとされています。

「則天去私」とは「天に則り私を去る」ということですが、私とはこの意識の私ということであり、天とは無意識のことではないかと私は思います。

小説を書くことで、この境地に到って、鬱からの回復を得たのではないでしょうか?

他にも、ラカンによれば、ジェームズ・ジョイスフィネガンズ・ウェイクを書くことで、精神分析の到達点まで導かれたというようなことを言っています。

 

だったら、回復のためには、小説を書けばいいのではないかと思うかもしれませんが、小説を書くことはかなりのエネルギーを要します。だいぶ、回復した状態で書くことはできても、まだ回復していない状態で書くことは困難です。

 

そうではなく、むしろ逆だと思うのです。

支配や邪魔の排除、FAP、催眠をして、どこまでいけばいいのかということです。

支配者の物語から脱して、自分で自分の選ぶ物語を自由に取り替える、それは大きな進歩ですが、それでもまだあとひとつだと思うのです。

なぜなら、自分の生きる物語を自分で選んだにせよ、それはやはり、自分ではない人の創った物語だからです。

そこで、

3 自分で生きる物語を自分で自分のために創り出すことができるようになること

自分で創った物語を生きてこそ、自分の人生を生きることになるのです。

 

それは、小説を書くようになることではなく、毎日、自分で自分のために選択して自分の人生の物語を創っていくということです。

ここに至ってこそ、支配者とは完全に臍の緒が切れて、大人として、人の人生ではなく自分の人生を歩むようになるのです。

 

時々、あることで心に聞くと、「自分で考えて選びなよ」とか「自分でいいと思う方にしなよ」とか、一見、冷たいと思われることを言ってくることがあります。

これがその理由なのです、つまり、心は、心を支配者や宗教や占いやオカルトのように頼って欲しいのではなく、自分で自分の生きる物語をあなたに創って欲しいのです。

心に聞くことと、支配者や宗教や占いやオカルトに聞くこととどこが違うのでしょうか?

支配者がなりすましていない限り、心は、未来のことは語りません。

未来はあなたがまさにこれから自分の自由で選択し、紡ぎ出していくあなたの物語だからです。

ところが、

支配者は「お前は一番いいことは私が知っている」と言って未来を勝手に決めてきますし、

宗教は神の導きとか摂理とか因果応報とか言って未来はすでに決められたものとしてきますし、

占いは「あなたの運命はこうです、こっちに行けば幸運に恵まれますし、あっちに行けば悪運に付きまとわれます」と未来を運命として拘束してきますし、

オカルトは未来を変えるのは自分の選択ではなく特殊な能力であるかのように幻惑してきます。

簡単に言ってしまえば、支配者も宗教も占いもオカルトも、彼らの決められたお決まりの未来の物語の中に閉じ込めようとするのです、あなたがあなたの創る物語ではなく、彼らの物語の中で生きさせようとするのです。

ですから、心は、あなたがまるで支配者や宗教や占いやオカルトのように心に頼ろうとすると、素っ気ない態度をとります。

なぜなら、心が望むのは、あなたが誰かの人生、それは心が前もって用意した未来の物語でさえなく、あなた自身の物語を紡ぎ出して生きて欲しいからです。

そのための助けを心は与えますが、あなたの人生の代わりの人生を、あなたの選択の代わりの選択を与えようとはしないのです。