とにかく、軽快で興味深く読める。著者の斎藤先生は「日本一分かりやすいラカン入門」を目指したというが、言わずもがな。
まあ、ここで中身の要約を書こうと思ったけれど、それではこの本の面白さを台無しにしてしまう気がするので、そこはスルーしておこう。
あと書きに、何だか脳内物質がほとばしり出るようなことが書いてあった。
「ラカンという人は不思議な人で、性格が最悪なのに理論は最高という、なんというかちょっとマッド・サイエンティスト的なところのある人だったように思う。僕がよく連想するのは、『羊たちの沈黙』のレクター博士だ。頭脳明晰で博覧強記、典雅な趣味。しかし性格といえば自己中心的で傍若無人。やや極端に言えばそんな感じだ。」(文庫版 264ページ)
「ちなみに、ラカンのそういうダークサイドをめいっぱい強調してレクター博士並みのキャラクターにしてしまったのが、笠井潔氏の最新作『吸血鬼と精神分析』(光文社)…『黒いラカン』を楽しみたい人にはお勧めだ。」(265ページ)
これって催眠ですか?
この「生き延びるラカン」も「吸血鬼と精神分析」もめっちゃ、読みたくなるんですけど。
Amazonですぐにポチッとしたのは言うまでもない。