無意識さんとともに

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2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

催眠の現象学52 ミルトン・エリクソンの公然たる秘密

トランスに入ることが何になるのと思うかもしれません。 トランスに入って、今の自分を変えるために、有効な暗示をかけることが大切であって、トランスそのものはその準備段階に過ぎないという捉え方もあります。 そういう考え方は、意識→無意識の方向であっ…

黎明〜鬱からの回復 47 ふたりきりの礼拝

次の週から、私は藤堂さんとふたりきりでいつものカラオケで礼拝することになった。 さすがに、若い女性とふたりきりと思うと、おかしな雰囲気にならないかと自分のことを案じたが、メッセージを語りだすと、没頭してしまって、そんな心配はどこかに吹き飛ん…

催眠の現象学51 月の雫

親しい友達にスクリプトを語ってもらったんです。 その言葉は柔らかな光をぼうっと放っていて、少しずつ、私のお腹の奥にしみとおっていくんです。 そうして、気づかなかったのですが、赤く錆びついた南京錠がついている、これも赤く錆びついた開かずの扉を…

黎明〜鬱からの回復 46 2回目の告白

「大丈夫ですか、神崎さん?」 手を背中に置いたまま、藤堂さんはそう言った。藤堂さんが私のことを神崎さんと呼ぶのは、初めてのことかもしれない。 「何とか、大丈夫だよ」 私は何とか、上半身を起こして、藤堂さんの方を向きながら言った。 藤堂さんは、…

催眠の現象学50 体の催眠⑵

昨日、レイキのレベル2の講習に行ってきました。 3つのシンボルとマントラ、遠隔レイキが主な内容でした。 実は、このレベル2を習う前に、体の催眠に興味のある友達に、遠隔レイキをやってみたのです。 そんなことできるかと思いましたが、心が『できるよ…

黎明〜鬱からの回復 45 異端宣告

田中君が続けて言う。 「私たちがこのカラオケの礼拝をするって、提案したんですから、路線が違うのでこのカラオケ礼拝はお開きってことにしてくれませんか?」 「お開きって、私も続けてはならないっていう?」 私は心臓に痛みを感じながら、何とか蚊のなく…

催眠の現象学49 リフレーミング

物語の結末は、もうフレームによって決まっているのかもしれません。 もちろん、物語が進むにつれて、思ってみないことが起こるのですが、それでもその思ってみないことというのはフレームを飛び越えることはないと思います。 ただ、ある時、ある場所で、フ…

黎明〜鬱からの回復 44 決裂

窓際の席で、それまで、藤堂さんと私が向かい合って座っていたが、席を移動して、彼女と私が隣り合って座って、彼女の向かい合わせに成島君、私の向かい合わせに田中君が座った。 ウェイターが来て、彼らは声を揃えてドリンクバーを注文して、それぞれが飲み…

催眠の現象学48 振り返って⑴

何だか、現在の自分が、人生の中で、もっとも安定して、幸福な自分のように感じます。 もちろん、疲れたり、落ち込んだりは、当然あるのですが、それらもその前後の凪の状態に挟まれて、よく思い出せなくなってしまうのです。 思い返すと、よくぞ、これほど…

黎明〜鬱からの回復 43 兆し

次の日曜日、田中君と成島君は、姿を見せなかった。 仕方なく、私はいつものカラオケの部屋で藤堂さんと二人きりで礼拝をしたが、なんとなくバツが悪かった。 終わってから、田中君の携帯にかけた。午前中にかけた時は繋がらなかったが、今度は一回のコール…

催眠の現象学47 新陳代謝

「すべてのことは、時にかなって美しい」 同じような毎日を過ごさなきゃいけないと思ってしまうんです。 昨日、これだけ運動ができて、これだけ勉強ができて、これだけ課題をこなせたら、今日は、それと同じか、ううん、それ以上できないとおかしいと思って…

黎明〜鬱からの回復 42 ファミレスで

礼拝が終わると、いつもは4人でファミレスでランチを食べてから帰るというのがいつものことだったが、その日は違った。 「僕たちはちょっと用事がありますから」、田中君と成島君は、カラオケの受付で支払いを済ませるとそう言う。 「そうか、じゃあ、また…

催眠の現象学46 水が噴き出る

意識が破れて、無意識が噴出するみたいなことがあるのかもしれません。 いろいろなイメージが次々から出てきたり、言葉がどんどんと溢れてきたり、そんなことがあるんです。 そんな時、支配者は「頭がおかしくなったんじゃないの」とか「このままいくと気が…

黎明〜鬱からの回復 41 渾身のメッセージ?

「アバ父よ(アバとはイエスが話したアラム語で『お父ちゃん』という意味)、今日、ここに集まった私たちに、あなたが全能の愛であることを示してください。愛するイエス・キリストのお名前によって、アーメン」 祈り終えると、田中君と成島君の顔に、?が浮…

催眠の現象学45 体の催眠

言葉による催眠だけではなく、体を使った催眠もあるんです。 例えば、ミルトン・エリクソンがハンドシェイクという催眠誘導の方法で、相手の手を握ってトランスに入れるというのは、そのひとつでしょう。 ランクトンの自己催眠の本にも、体の催眠はあって、p…

黎明〜鬱からの回復 40 全能の愛?

二重人格の神を、私は信じることができなくなってしまった。 もし、神がいるなら、愛そのものでなければならないのではないだろうか? 「神は愛である、愛のあるのものは神を知っており、愛のないものは神を知らない」と言われているのではないだろうか? 神…

催眠の現象学44 宇宙は広がり、心も

宇宙は、約137億7000万年前に、ビッグバンが発生してから、今もずっと広がり続けているそうです。 私の心は、発生以来、収縮していたのに、ここにきてそんな宇宙にほだされたのかどうか、動きが反転して、広がり始めているかのような気がします。 渇ききって…

黎明〜鬱からの回復 39 疑念

それから、私は彼らと、毎週、カラオケで礼拝することになった。 メッセージは持ち回りのはずだったが、いつの間にか、一番年上の私がすることになっていった。 教会学校で、小学生や中学生を前にしてお話ししたことはあるが、少人数とは言え、大人の前で話…

催眠の現象学43 体を生き始める⑵

その後、私はCさんに背中に手を当ててもらいました。 びくんと背骨に気が入るのを感じました。 10代の頃から50代までストレスで背骨が折れ曲がるような痛みをずっと抱えていました。今は、FAPと催眠療法で、そのような痛みはないのですが、それでもこの背骨…

催眠の現象学42 体を生き始める⑴

小さな頃から、頭だけで生きてきたような気がしてなりません。 幼稚園入園の時に健康診断があったのですが、女医さんに触られるのが嫌で、蹴飛ばして逃げ出したそうです。 それだけでなく、お寺の幼稚園だったのですが、クリスマスのお遊戯があって、蝋燭を…