無意識さんとともに

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2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2つの共感

その昔、EQ(感情指数)というのが流行っていて、転職の時にテストを受けさせられた。 私は、無事に転職できたのだが、後で上司にEQの分析シートを見せてもらうと、共感能力が以上なほど高かった。 私は、自分の共感能力が高いことをいいことだと思った。そ…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 89〜H16 後悔

わたしは家に帰ると、ショックのあまり、布団に飛び込んだ。そうして、布団をかぶったまま、むせび泣いた。ママは「どうしたの?」と言ってくれたが、何も言えなかった。 ママは私の代わりに夕食を作ってくれた。 「幸子の大好きなハンバーグよ」 白いお皿に…

催眠は芸術

吉本武史先生は、電車の中で言い争う酔っ払い二人の中に入って、一瞬で催眠を使って二人を凪に変えたという。 催眠は芸術である。 催眠を学べば学ぶほど、そういう感じがしてくる。 というのも、催眠ほど、言葉を繊細に扱うものをないからだ。 ミルトン・エ…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 88〜U16 燎原の火

中2の担任は、50代ぐらいの女性で、音楽を教えている光村先生だった。ぼくは、体育と音楽がからきしだめだったから、何となく、光村先生とも反りが合わないと感じていた。 いや、反りが合わないとかいう問題ではなく、光村先生は大橋先生のように睨みがきく…

支配者の作る組織

どうやら、エネルギーヴァンパイアというのは、個人の話だけではないようだ。 集団というのも、個人よりもっと強力なエネルギーヴァンパイアになり得る。 普通の集団でも、大島先生が言うように、262の法則というものがあって、上位2割のエリート、6割の普通…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 87〜H15 衝撃

そこから、通りを右へ歩いて行き、突き当たりで今度は左に曲がった。ママは怜とにこにこしながら、話している。こんなママは本当に久しぶりで、わたしまでうれしくなってくる。 右側を歩いていると、パンを売っている小さな店があり、そしてその隣に中学校が…

フランシスから風宮隼人へ

フランシスとは、アッシジの聖フランチェスコのことである。 おそらく、日本人にもっともなじみが深い聖人で、日本のカトリック教会では、フランチェスコを洗礼名に選ぶ人が最も多いと聞く。 フランチェスコは、清貧と謙遜の人である。 自分の持ち物、果ては…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 86〜U15 噂

ますます、神楽坂さんと帰ることが多くなった。休日さえ、時には神楽坂さんと会って、議論をした。不思議なことに、議論すればするほど、心は落ち着いて深海の中にいるようだった。そうして、いよいよ、クラスの男子と遊ぶことは少なくなっていった。彼らが…

お金から見放される快感

この前のFAPの練習で、FAPをしていただいて、また不思議なイメージが出てきた。 いただいた主軸コードは、「お金から見放される快感」だった。 小さい頃から、よくお金持ちのお坊ちゃんに間違えられた。けれども、生まれた時だけは裕福だったらしいが、それ…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 85〜H14 ママ

わたしがオムレツ作りに集中している間も、ママはずっと寝込んでいた。朝食は、わたしが作って、洗い物をして、出て行く。学校から帰ってくると、やはり、ママは寝ていた。朝食だけでなく、夕食も私が作ることが普通になった。 前も寝込むことは多かったけれ…

支配者

支配者も当然、心理学も催眠も学ぶようだ。 ただ、支配者でない人は、自分や人を楽にするために学ぶが、支配者は人を支配してコントロールするために学ぶ。 支配者は、罪意識がない。そして、「自分はできる」という自信に溢れている。「自分は正しい」とい…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 84〜U14 神楽坂さん

どういうわけか、ぼくは部活が終わるたびに、部長の神楽坂さんと帰ることになった。神楽坂さんは、文学から哲学やキリスト教の話まで話題に振ってきた。 ぼくは、神楽坂さんの影響を受けたのか、久米川駅の西友のそばにあるふみやという本屋で、カールヤスパ…

嫉妬のかわしかた

イエスはかなりの毒舌であるのかもしれない。 「豚に真珠を与えてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたに噛みついてくるだろうから」 これは、嫉妬のかわしかたを述べているものだと心は言う。 人間も自分を含めて動物である。動物である以上…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 83〜H13 オムレツ

わたしに、『将来の見通し』なんてものがあるのかな。 じっと考えてみた。すると、かさぶたに覆われた傷の向こうに、あの小屋が見えて、シェフになっている自分がいる。 小屋は変わらず、わたしの心の中にある。 わたしは恐る恐る、心の中にある小屋の戸を開…

右の頬を打たれたら

「あなたの右の頬を打たれたら、左の頬も向けよ」 これは、弱さや屈従の言葉ではなく、むしろ、相手に対する強さや抵抗の言葉だと言われている。 確かに、相手が何をしようとそれに揺るがされずに、右の頬だけではなく、あえて左の頬を向けるのは、かっこい…

深淵の祝福

「人は、神のかたちに創造された」 と、ある神話は言っている。 ところで、神のかたちとは何だろう? ある人は理性だと考え、ある人は霊だと考えた。 ところが、ある人は「空洞」なのだと言う。 すべての人は神のかたちに創られ、すべての人には神のかたちと…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 82〜U13 水晶の像

それから、ぼくは何だか、クラスでうまくやっていけなくなった。もちろん、表面上はうまくやっているように見えている、何も変わることはない。けれど、向こうとこちらに、薄い透明な壁があるようで、向こうの言いたいことがほんとのところよくわからないし…

深淵

小さい頃から、心にぽっかり穴が開いていた。 この穴に何を入れても埋まらない、何を買っても何をしても埋まらない。 そうして、絶えず、この穴から血が噴き出していて、まるで心臓に針を刺し込んだように痛む。 この穴から声がする。 「愛されたい、愛され…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 81〜H12 柊(西洋ヒイラギ)

わたしとママの住まいは、六畳一間の部屋になった。あとは狭いキッチンが付いているだけだ。ママは以前から寝込んでいたが、家を出てからはほとんど毎日、布団から起き上がれなくなった。パパがわたしたちを連れ戻しに来るということもなく、ある日、何の手…

さよなら、自己犠牲

どうしても自己犠牲をしてしまう。 思い返してみると、自分の頭の中は他人のことでいっぱいだった。 絶えず、『あの人はどうしているのかな?』とか『あの人のあの問題は解決しただろうか?』とか考えている。 そうやって、自分がもう半分、他の人になりかか…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 80〜U12 発作

『単独者』、ぼくはそうなのかもしれない。その言葉が、言葉の響きが自分の心を捉えて離さなかった。 その日は、珍しくも、男の友達が数人家に遊びに来ていた。 二瓶君、永井君、太刀川君、川島君だっただろうか。 最初は、皆で大人しくトランプをしていたが…

大手術

(グロいです。苦手な人は読まないでください) 『嫌い、嫌い、嫌い、みんな嫌い』、そんな思いが心から噴き出してきて止まらなかった。特に、公園の鳩のように群らがって、嫉妬したりされたり、マウントを取ったり取られたりしているように見える人たち(あ…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 79〜H11 クリスマスイブの日に

それから、週2回の家庭部の部活、あとは怜と放課後帰ったりして、わたしは何だか居場所を見つけたような気がしていた。 あのことの後は一回もうえっちに連絡を取らなかったし、うえっちからも連絡も来なかった。 月日の砂時計はいつの間にか、どんどんとこぼ…

信念の人と無意識の人

人は、何かに殉じる人の話が大好きなのかもしれない。命を賭して、国のために殉じ、正義のために殉じ、神のために殉じる。 そんなことをするのは、国の物語を、正義の物語を、神の物語を、唯一絶対に正しい物語として信じるからである。 そして、その物語を…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 78〜U11 単独者

どんな本を読んでいるかと聞かれれば、今、読んでいる本を答えればいいが、好きな本と尋ねられると戸惑う。自分はどんな本が好きなんだろうと戸惑ってしまった。 けれど、最初に心に浮かんだのは、あの本だった。それで、思わず、口に出した。 「ゲルトルー…

愛は信じない

愛は信じない。 愛は宗教ではないから。 けれど、この世界には、愛という宗教に満ちている。 「愛こそすべて」「愛が地球を救う」「愛があれば何もいらない」… 愛を信じたがっている人が溢れているのかもしれない。 そうして、愛を信仰し、究極の愛が自分を…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 77〜H10家庭部

調理実習室では、十数人の女子がわいわいがやがや、お互いに話していた。さすがに、家庭部というだけあってか、男子はいない。 部長は、わたしを連れて、皆の前に行って、手をぱんぱんと叩いた。その様子が部長のキャラに合っていないような気がして、クスリ…

ダンス、ダンス、ダンス〜将来の不安を抱えている人のためのスクリプト

少女は浮かんでいる どうして浮かんでいるのかはわからない ただただ浮かんでいる 少女の目の前に広がるのは、果てしもない宇宙空間 何の音もしない、何の音も聞こえない ただ自分がそこにふわっと浮かんだ感覚があるばかり 遠くに目をやると、太陽系の惑星…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 76〜U10 部長

はまっちに会わずに、あっという間に時は流れていく。 ぼくは、時折、二瓶君やクラスの他の男の子たちと遊ぶことはあったが、あとは毎日のように、放課後になると文芸部の部室に入り浸っていた。 メガネとロングの髪が特徴的な部長は、3年生の神楽坂亜矢、…

私のモーニングルーティン

朝、大体、4時40分ごろ、目が覚めると、なるべくすぐに、心に話しかける。 「心よ、おはよう」 「おはよう」 「心よ、今日もよろしくね」 「よろしく」 それから、心に邪魔を取り除いてもらう。 「心よ、私とあなたの間に邪魔はある?」 「あるよ」 「心よ、…