2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧
『傷ついた癒し手』という言葉があったと思います。 完全無欠の、全くトラウマがない、そういう人が癒し手として人を癒すのではなく、むしろ傷を持った、トラウマを抱えた人こそが、自分の傷やトラウマ、つまり自分の深淵を通してこそ人を癒せるということで…
私たちが後ろの方のパイプ椅子に座ると、礼拝が始まる。 素人っぽいところがかえって好感を持たせるようなギターの音色が響き、ちょっと古いワーシップソングが前のスクリーンに、日本語で映し出される。 ギターに合わせて歌う人たちの歌声も何だかたどたど…
今回のエリクソン読書会は3回目になりますが、さらに前回よりも盛り上がりました。 何というか、参加してくださるメンバーそれぞれが、個性のままに、思いのままに感想や気づきや質問やら脱線やら、自由に語ってくださるのですが、結局、それがエリクソンの…
私たちは、いつものように、礼拝をする。 一度、祈り出して始めると、半ば自動的に礼拝は進んでいった。 そうして、終わると、やはり、いつものファミレスに行ってランチを食べる。 あんなことがあったからなのか、何だか藤堂さんを意識して、言葉が出てこな…
FAP上級講座で、私の尊敬するある方にFAPをやっていただきました。 悩みはとにかく中途覚醒が多いことです。 多い時は一晩に8回ぐらい、目が覚めてしまうのです。 もっともすぐに自己催眠でまた眠るので、睡眠アプリのスコアは悪くないのですが。 それでも…
こだわりこそが自分なんだと、そう思ってきたふしがあります。 それで、自分のこだわりを人にかき乱されると、まるで自分が攻撃されたように思ってしまうのです。 特に、本に対するこだわりはものすごいもので、どうやら、私は本を自分の友達、もっと言えば…
私は、藤堂さんとの約束通り、その日の夜遅くに、光に電話した。 机の前に、携帯電話を置いてから、かけようかと何度も逡巡する。 そんなことを繰り返してから、ついには諦めたように番号を押した。 すぐに光が出た。 「どうしたの?こんなに遅くに」 何だか…
同じシェフが、同じ卵を使って料理をしても、いろいろな卵料理があるかもしれません。まして、卵を材料のひとつとして使う料理ならば、さらにたくさんのバリエーションがあります。 FAPも催眠の一種ですが、催眠とは違っているところがあると私は感じていま…
「特別に祈ってほしいって、どんなこと?」 「内容は話せないんですけど、特に大切なことなので、頭に手を置いて祈ってくれますか?」 『内容は話せない』という言葉に何だかがっかりした次の瞬間、『頭に手を』という言葉にドキッとする。 「頭に手を?」 …
私は、すぐに、原理主義になりやすいんです。 例えば、大嶋メソッドがいいと思えばそれ以外はダメだと思ったり、エリクソニアン催眠がいいと思えば伝統催眠は役に立たないと思ったり、無意識が大切だと思えば意識などいらないと思ったりします。 キルケゴー…
「家に何もないので、途中でお弁当を買いましょう」 藤堂さんは、それほど大きくない駅の北口の階段を降りるとそう言った。 もう、辺りは真っ暗だった。こちらは住宅街ばかりなのか、灯りがほとんどない。 私たちは、途中で、チェーン店のお弁当屋で、それぞ…
FAPで大きなトラウマは取り去られて、さらに催眠と自己催眠を学び、心の自由は得たように感じています。 けれど、安定してきたとは言え、疲れやすいこと、高血圧、内臓脂肪の数値が高いこと、それから中途覚醒があることなど、体の自由はまだ得ているとは言…
催眠やら、瞑想やら、レイキやら、いろいろな手法はありますが、根本は、無意識さんと繋がる、深く繋がることだなあと、昨日、あらためて思いました。 無意識さんと深く繋がってさえいれば、どんなメソッドでも、一足飛びに身につけることができます。 それ…
けれど、藤堂さんと私は、二人きりの礼拝で毎週、顔を合わせ、その後は一緒に食事をしてお互いのことを包み隠さず話し、そんなことをするたびに、親しくなっていった。 藤堂さんは、いつものあのファミレスの、窓際のあの席で、食後の紅茶を入れた白いカップ…
何でも、瞑想の達人の脳は、サイコパスの脳に似ているということを読んだことがあります。 サイコパスは自分自身の喜怒哀楽を持たないがために、感情に揺るがされて、判断を間違えることがないのですが、 瞑想の達人もまた、感情に揺るがされることはないそ…
瞑想には、上昇の瞑想と下降の瞑想があるかもしれません。 上昇の瞑想とは、自己を超越していくことを目指すもので、瞑想に上達するにつれて不思議な現象が起きてきます。 下降の瞑想とは、むしろ、絶えず、自己に、本来の自己に返っていくもので、いわゆる…