2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
さて、では、実際に支配者、『親なるもの』とのつながりを断つとはどういうことでしょう? 支配者が毒親である場合は、それは、まず何よりも、物理的に距離を置くことを意味するでしょう。 けれど、未成年だったり、そうではなくても、物理的に距離を置くこ…
「さてと…」 はまっちは、僕の真向かいに座っている。日曜日の早い時間だからか、何の音もしない。 「うん?」 「お昼までは、まだ時間があるわね」 「そうだね」 「じゃあ、催眠の練習でもしましょうか?」 「催眠?」 僕は自分でもびっくりするぐらい素っ…
支配者、ほとんどの人にとっては、親、特に母親との臍の緒を切って訣別することが、回復のために何より大切なことなのです。 けれど、この『親なるもの』は、場合によっては、具体的な親、母親に限らないのです。 特に、私のように、親が毒親だった場合、人…
それから、僕たちは、今度は中華街に行って、お店を回り、3時になって小腹が空いて食べ歩きをした。 定番の大きな肉まんを買い、ふたりで分け合って食べた。 そうして、僕たちは帰途につき、秋津駅で別れた。 「じゃあ、また、明日。今度はうえっちの誕生日…
あの本と出会ったのが、私の回復の始まりだったと思います。 私は、その本を何回も、貪るように読みました。 本の内容が、その時の私には、あまりに意外で衝撃的だったからです。 その本とは、「支配されちゃう人たち」(大嶋信頼)です。 まだ、読んだこと…
それから、僕とはまっちは山下公園、赤レンガ倉庫を巡った。 そして、また、動く歩道に乗り、降りたところで右に折れた。 そこには、みなとみらいのシンボルだったコスモクロック、大観覧車がある。 「神奈川に住んでいたけど、コスモクロックに一度も乗った…
鬱からどうやって回復していったらいいのかということについて書きたいと思います。 『鬱から』とついていますが、もちろん、鬱だけではありません。 色々な精神的不調から解放される過程を含んでいます。 ですから、鬱を患っている人以外にも参考になると思…
僕たちは狭い階段を上って2階に行った。 木の梁と柱が張り巡らされ、歴史を感じさせる空間。 ふたりで窓際の席に座る。 「こうしていると、私たち、ほんとにタイムトラベラーみたいね」 「そうだね、この席にどれだけの人が、昔から座って、古き良き洋食を食…
「心よ、そうやってあなたに邪魔と支配の排除をお願いして、凪になって、さらにあなたと会話できるようになって、そうしてどうなっていくの?」 「焦らない、焦らない、そうやって先を知りたがるんだね、でもまあ、それも無理もないことかもね。目的地とそこ…
僕とはまっちは、みなとみらいで降りる。 ランドマークタワーの中の店をウィンドーショッピングしていく。 「なんだか、本当に未来の都市みたいだね」 「そうね。とても非日常的な感じで、うえっちと私で時間のはざまを漂うタイムトラベラー見たいね」 はま…
西武新宿駅の改札口を出ると、右に折れて、ガード下をくぐる。 横断歩道を渡り、J R新宿駅に向かう。 土曜日とはいえ、かなりの人混みだ。 いきおい、僕たちは距離を詰めてくっついて歩かざるを得ない。 「そろそろ、どこに行くのか教えてくれるのかな?」 …
1月30日当日8時40分、東村山駅の改札口に行ってみると、もうはまっちが待っていた。 ブルージーンズにライトブラウンのPコートを羽織っている。 いつの間にか、セミロングよりちょっと長くなった髪をポニーテールにしている。 僕を見ると、笑顔で手を振る。…
ところで、瞑想は続かないという人が多い。 一応、7年間、ほぼ毎日瞑想を続けてきた自分として、瞑想が続かない原因を考えてみる。 ひとつめは、枝葉末節に囚われることだと思う。 瞑想が、特にマインドフルネス瞑想が原始仏教から出ているのは間違いない。…
僕とはまっちの誕生日がやってくる。 この誕生日に、早生まれの僕たちは、ようやく17歳になる。 そう思うと、何だか特別な日であるような気がしてならなくて、でも、今のはまっちとの距離感がちょうどよくて、一体、何を贈ったらいいのか全くわからない。 自…
それから、僕はまた長いこと眠っていたようだ。 目を覚ますと、右手にあの温もりを感じている。 今度は、首を回すことができて、そちらを見つめた。 髪をポニーテールにして、白いブラウスを着ている、色の浅黒い、目の大きな女性が、ベッドのそばの丸いすに…
駅の改札口を出て歩く。 延々と続く畑、そして豚小屋の匂い、何も変わることがなかった。 そして、もうすぐ、道を曲がったところに古い一軒家があるはずだ。 そう思って、道を曲がると、そこには何もなかった。 ただの更地になっていた。 更地には、枯れかか…
正月が明けたが、僕は同じような日々を過ごしていた。 学校が始まると、学校の図書館ではまっちと顔を合わせた。 僕たちは、放課後、司書室で何気ない会話をする。 「最近はどうしてる?」 クリスマスからそんなに経ってないのに、はまっちは『最近』という…
そんなふうにして、部屋に引きこもり続けた。 母も妹も、最初は、戸をどんどんと叩いて僕を部屋から引き摺り出そうとしたが、そのうち、もう諦めたようだった。 時折、布団から起き上がって、鏡を見てみると、気のせいなのか、それともリアルなのか、僕の顔…
それからの僕の生活は、過去の僕からしたら信じられないぐらい、退屈なくらいに平穏なものだった。 冬休み、同級生たちは、高2ともなれば、大学受験のために冬期講習に行く。 けれど、僕にはそんな経済的な余裕はない。 もちろん、無限塾でのチューターのバ…
それでも、僕は教会に行き続けた。 人に会うためではない、神様に会うためなのだ、僕はそんなふうに思っていた。 でも、僕は、Rさんが『あなたの言うことが正しかったわ、ごめんなさい』ということを、心のどこかで期待していたのかもしれない。 時々、Rさん…
そうして、楽しいパーティーもお開きになった。 片付け物と洗い物は、僕と福井君がやることになった。 食器をふたりでキッチンのシンクに運ぶ。 シンクはよく磨き込まれているのかビカビカだ。 洗剤をスポンジにつけて十分泡立ててから洗っていく。 洗剤の爽…
母と妹は、あの赤い文字事件がいったん落ち着いた後も、僕の人間関係にピリピリするようになった。 「優、これは何なの?」 母と妹は、Rさんが僕にくれたトトロの置物と、さらに、Rさんが写っている写真を手にして言う。 「いや、何でもない。返して」 「返…
「その前に、サッチが作ってくれたケーキをみんなでいただこうかしら」 「そうね」 「じゃあ、切り分けてくれる、サッチ?」 「はい」 はまっちが、赤い苺がのった真っ白なケーキを真っ白なお皿に切り分けていく。 藤堂さんは紅茶をポットから注いでいく。 …
僕は、結局、何日も寝込んで起き上がることができなかった。 もうすべてが生き地獄のように感じた、何もかも。 そして、自分の人生が果てしもなく、神と悪魔が闘争を続ける戦場のように思われてならなかった。 こんなに苦しいのが人生なのだろうか? そのつ…
そうか、あのことが起きる前だったか、はまっちと僕とはまっちの友達と高村君で休み時間にUNOをして遊んだこともあった。 僕の記憶の中では、小学生時代は、はまっちのこと以外は黒く塗りつぶされていたけれども、楽しい思い出もあったんだ。 そう思うと、次…
現代催眠(エリクソニアン催眠)は「催眠を解く催眠」だと思っている。 「この世はすべて催眠術」ではないが、世の中は意識をコントロールしようという催眠に満ち満ちている。 そういう催眠は、私たちの自由を奪うものでしかない。 マインドコントロールされ…
人間はすぐに神になりたがる。 「心に聞くこと」を通してさえもそうかもしれない。 心は神ではない、心は単に私の心だ、そんなことは十分すぎるほどわかっている。 であっても、心に、神に聞くようなことを聞いて仕舞えば、心は神にすり替わることもあり得る…
自分は何も悪いことはしていない、やましいことは何もない、そう思っても、もしかしたら知らない間に、相手をぐさりと傷つけるような致命的な罪を犯しているのかもしれないという思いが、ぐるぐると頭を離れない。 赦しの秘跡を受けて、告解して楽になろうと…
「そうなんですね」 僕は、どう返していいかわからなかったので、適当な言葉を発し、適当なあいづちを打つしかなかった。 「僕は、もう神父になろうという望みは…いや、強制かな、捨てました。そして、カトリックであることもやめました。親の支配、宗教の支…
無意識を活性化するためにスクリプトの具体的な聞き方を書いてみようと思う。 ① 何を聞くか まず、ネット上であげられているスクリプトは、 大嶋先生の「無意識の旅」(会員のみ)https://m2191204.megadoga.com/categorylist/search?category=1404&cs=1 吉…