昨日は、本を読みかけたが、本を読み続ける気力もなくなって、寝るまでの時間をなんとか埋めようとNetflixで映画を探した。
神経を昂らせないで落ち着かせてくれる映画、気力がなくても見れる映画、そんな映画はないかと思って見つけ出したのが、「蜜蜂と遠雷」だった。
原作は小説らしい。映画はなんというか、音楽についての映画なので当然だが、言葉が過剰でなくて、快い。
あらすじは、若い4人のピアニストが国際コンクールに挑む話なのだが、お決まりの嫉妬と競争の果てに誰が優勝するかというような話では全くない。
トラウマを抱えてこれがラストチャンスになるやも知れぬ主人公のかつての天才少女を始め、他の3人の内面の葛藤と、お互いの心から発せられる音がお互いに共鳴していくような世界を描いていて、美しい。
見ていて、ああ、音楽も催眠、そして催眠も音楽なんだなあと思ってしまった。
世界は、そして世界を映し出す心も、輝きに満ちている。
そしてその輝きとは、永遠に古くなることのない、刻々と生まれる新たな音であり、響きであり、シニフィアンなのかもしれない。