催眠感受性というものがあると言われている。
つまり、催眠にかかりやすい人とそうでない人がいるという考え方である。
この考え方は、主に、古典的な催眠でなされている。
しかし、エリクソンは、全ての人がトランスに入るリソースと能力があると考えた。
催眠にかかるというのは、セラピストがクライアントにかけるというような一方的なものではない。セラピストとクライアントの相互作用である。
ただ、相互作用といっても、どちらに重点があるかと言われれば、クライアントに重点があるのである。
セラピストは、クライアントがリソースと能力を見出すことをお手伝いして、クライアントがリソースと能力を用いて、トランスの中に入っていくのである。
主導権はクライアントにある。
そういう意味ではトランスに入るのは、スイミングを学ぶのと変わらない。
実際に水に入って泳げば泳ぐほど、スイミングが上達していき、泳ぐ能力が拡大されていくのと同じように、トランスに入るのもトランスも体験すればするほど、浅いトランスから深いトランスへとリソースが開発され、能力が磨かれていくのである。