前回は、マインドコントロールと催眠のことについて書きました。
ここで、洗脳と逆洗脳(脱洗脳)のことに触れておきたいと思います。
厳密に言えば、洗脳とマインドコントロールは違うものとも言われていますが、とりあえず、ほぼ同じものとして扱います。
洗脳もマインドコントロールも、外から強制的に何かを変えようとする【催眠】であることには変わりないからです。
そして、催眠はそういう【催眠】を解く催眠であると言いました。
ところで、逆洗脳(脱洗脳)はそれとは違うのです。
逆洗脳は【催眠】であって催眠ではありません。
なぜなら、逆洗脳は、洗脳を外から強制的に解こうとするからです。ですから、洗脳を解くと言っても、その実は、また違う意味で洗脳することに他ならないのです。
逆洗脳は、「内部表現の書き換え」だと言われています。
内部表現とは、本人が生きている物語です。
(物語という言葉に戸惑う人もいるかもしれません。私たちは、事実はひとつしかないと思っているが、例えば、鉛筆ひとつとってみても、真横から見れば長方形に、真上から見れば六角形に見えるように、事実はひとつではないのです。私たちがどういう物語を信じているかによって、世界も自分自身も違って見えるのです)
ただ、本人には選択の自由はありません。今まで、親や宗教など、外から強制的に与えられて信じて生きていた物語を、これまた、逆洗脳によって、外から強制的に新たな物語に書き換えようとするのです。
催眠とは、こういう逆洗脳とは全く違うものです。
では、ここから見えてくる催眠とは何なのでしょうか?
【催眠】を解く催眠とは、一歩踏み込んで、どういうものなのでしょうか?
催眠とは、トランスに入り、本来の自分に戻り、自分のリソースを使って、
1 物語を物語にすぎないと知ることができるようになること
2 物語を自分の選択でチェンジできるようになること
3 自分の生きる物語を自分で自分のために創り出すことができるようになること
です。
これこそが、【催眠】を解く催眠になるわけです。
この3つを眺めてみると、これらは私たちが【催眠】に抱くイメージと全く逆であることがわかるかもしれません。
【催眠】は
1 術者の物語を物語であることがわからないほど没入させて、本人の現実にすること
2 この物語こそが正しい物語だと信じ込ませ、他の物語を排除させること
3 自分で物語を創ることを禁じて、ただ権威ある術者の物語に従わせること
そうです。催眠は、【催眠】とは全く似て異なるものであり、さらに、催眠は、【催眠】と照らし合わせることで、どんなものか明らかになるのかもしれません。