FAPについては、書くことはあまりありません。
「本当の私よ こんにちは」(大嶋信頼)を参考図書としてあげておきます。
自分自身の体験記を書こうとは思っているのですが、どうも6回でFAPでやることがなくなってしまったというのはレアケースのようで、今のところ、まだ書く気になっていません。
というか、まさに、どうして6回でトラウマ治療が終わってしまったのかということについて、ここで明らかにしようとしているわけです。
(正確に言うと、6回でトラウマはほぼなくなり、あと3回は念押し、最後の3回が集中力アップ、創造力アップ、高血圧の改善だっと記憶しています)
ただ、ひとつ言えることは、FAPも催眠の一種であることは間違いないということです。
そして、FAPの前後に、催眠を入れることによって、FAPにすんなりと入っていく、あるいはFAPの効果が上がるという感じはしています。
他の記事で、トランスに入るというのは、水泳ができるようになるというのと同じく、能力だと言いましたが、とすれば、催眠でトランスに入る体験を積むことで、FAPも効果的に受けることができるのかもしれません。
ですから、13で書いたトリニティアプローチというのは、大筋、合っていると思います。
ともあれ、FAPも一種の催眠ということで、ここでは、催眠について書いていこうと思います。
催眠について書くならば、マインドコントロールと催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠)との違いを明らかにすることを避けては通れません。
マインドコントロールというのは、普通の人が【催眠】という言葉でイメージするものです。
外から加えられた暗示によって、本人が望んでいないのに、強制的に、何かをさせます。
例えば、【催眠】ショーならば、犬になってワンワンと言ったり、ふだん言わない秘密を言ったり、からしのチューブを刷ったりという具合です。
ポジティブなものであれば、強制的に記憶を改変したり、性格を変えたりします。
ネガティブなものであれば、強制的に指導者に従わせたりします。
とにかく、マインドコントロールというのは、【催眠】という名前が付いているにしろ、ついていないにしろ、強制的にというのがひとつのポイントです。
こういう強制的な外からの暗示にかかる人は、4人に1人、25%の人と言われています。
そして、術者は、自分を、権威あるカリスマに見せれば見せるほど、こういうマインドコントロールにかけやすくなります。
ここで使われる暗示は、だから、上から権威を持って、「〜しなさい」と直接的に命令するものになりやすいのです。
それに素直に、絶対的に従うのが、【催眠】にかかることになるわけです。
ところで、こういうマインドコントロールは、無意識に働きかけるものと信じられていますが、私は全くそうは思いません。
マインドコントロールのマインドは無意識ではなくて、意識です。
外からの強制的な暗示によってコントロールされるのは、無意識ではなくて、意識です。
なぜなら、意識はコントロールする働きを持っていますが、無意識は脱コントロールする(コントロールしないし、コントロールを解除する)働きを持っているからです。
術者は、被術者の意識を外から強制的にコントロールすることで、被術者をコントロールすることになるのです。
ですから、私の意見ですが、こういうマインドコントロール(いわゆる【催眠】)にかかった人は、無意識ではなく、意識がコントロールされて、変性意識になっているのです。
変性意識はどこまでいっても意識です、無意識ではないのです。
ここをはっきりさせておきたいと思います。
催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠)は、外から強制的に暗示を与えるものではありません。その人の中にもともとあったもの(リソース)を暗示として与えるのです。
外から力を加えられた暗示ではなく、内から自然に出てくる暗示なのです。
そういう内から自然に出てくる暗示ですから、「〜しなさい」という権威とカリスマを持って直接的に命令する暗示ではなく、「〜できる、かもしれない、してもよい」という間接的な暗示によってクライアントと対等なヒプノティストが内から自然に本人のリソースを引き出すことになります。
あるいは、メタファーや催眠スクリプト(催眠のために作られた物語)を使って、引き出すことになるのです。
そういう、外から無理矢理に強制的なものではなく、内から自然に出てくるものですから、魔術的に何かを変えるというものではありません。
コントロールする意識に働きかけて何かを強制的に変えるものではなく、脱コントロールする無意識が働いて本人のうちにもともとある知恵と力が自然に出てくるものなので、もしかしたら、劇的には感じられないかもしれません。
マインドコントロールは、意識を変えて、変性意識にして、本人を全く違う人間に作り変えようとします。
けれど、催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠)は、無意識の働きを引き出して、意識と無意識の統合をはかり、本人を本来あるその人に戻そうとするのです。
マインドコントロールは、いわば、支配者が使う【催眠】であって、支配者が人を作り変えて、自分のコピーにして従わせるために使う【催眠】であるわけです。
そうして、催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠)は、そういうマインドコントロール、支配者のかけた【催眠】を解いて、本来の自分に返す催眠であるということができます。
マインドコントロールは何も特別なものではなくて、世の中には、こういうマインドコントロール、支配者の【催眠】が満ちているのかもしれません。
親が「お前は何をやってもダメだ」という呪い、宗教、パワハラ、セクハラ、差別…も、見方を変えれば、こういう支配者の【催眠】と言えるでしょう。
だからこそ、支配者の【催眠】をかけられて、いろいろな精神症状を起こしている人が、それから脱却して、健やかな元の自分に帰るためには、この催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠)は必須ということができると思います。