無意識さんとともに

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大手術

(グロいです。苦手な人は読まないでください)

 

『嫌い、嫌い、嫌い、みんな嫌い』、そんな思いが心から噴き出してきて止まらなかった。特に、公園の鳩のように群らがって、嫉妬したりされたり、マウントを取ったり取られたりしているように見える人たち(あくまでその時の自分にはそう見えるという単なる主観です)を見ると、吐き気がとめどなく出てきた。

そんな感じから抜けられない時に、練習相手の方から、FAPを受けた。

私は手術台の上に載せられていた。近くには手術着を着たドクターXのような外科医。

メスが手際よく、私の胸を切り開いていく。

そうして、ドクンドクンと脈を打っている心臓が露わになる。

心臓には何本もの白い筋が入り込んでいて、外科医は、ピンセットでその白い筋を剥ぎ取る。

そうすると、白い筋だと思えたものは、ピクピク動く白い虫だった。

その白い虫を5、6匹とると、心臓はピンク色の綺麗な状態になった。

次に、何のためらいもなく、外科医は脈を打っている心臓そのものにメスを切り込ませていく。血が噴水のように噴き上がるが、臆せず、手袋をした指を心臓の中に食い込ませ、ぐいっと思い切りよく引っ張って、何かを取り出す。

10センチぐらいの赤い人形、と言っても生きていて何かを叫んでいるものが取り出される。

よく聞くと、

「このキチガイ!」「変態!」とか叫び続けている。

私は、これが自分の中に取り込まれた母親だとわかった。

ドクターは一切の情け容赦もなく、この人形を捻って、ゴミ箱に放り込む。
さらに、今度は、いろいろな顔をしたビニールでできた指人形が、心臓の中から、次から次へと、これでもかというぐらい出てきて、これもゴミ箱に投げ捨てられる。

もう、何もないのを確認して、外科医は心臓を縫合し、さらに胸を縫い合わせて閉じる。
私は、手術台の上で、目を覚まして、汗に濡れた外科医の顔を見、自分の胸にひどい痛みを感じる。

というのが、FAPを受けている最中の自分のイメージ。単なるイメージなのだが、今も強烈に胸が痛い。胸に何だか風がスースー通る感じがする。
このイメージの詳しい意味はわからないが、私は寂しいから、誰かに承認されて欲しくて、母の存在を、いろいろな人の存在を、自分の心の中に埋め込んできたということなのだろう。そうして、それらを取り出して、投げ捨てて、もう承認してもらう代わりに相手の人生を生きるということをやめて、自分の人生を生きるということらしい。