さて、「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」に絞って書いてきました。
これが根本的なことで一番、大切なことには違いありませんが、実際には、FAPや催眠と同時に進めることになると思います。
では、この3つはそれそれ、どういう役目を持っているのでしょうか?
ある人が、ネズミに悩まされていました。
どうやら、天井裏にネズミが巣食っているようなのです。
天井裏を走る音がして子供達がその音におびえたり、また、何だか悪臭も天井裏からなのか匂ってきたり、時には、部屋の中さえもネズミらしき黒い影が横切ることがあります。
意を決して、ネズミを退治することにします。
それで、天井裏にハシゴで上がり、天井裏に潜り込むと、中はじめじめとして暗く、確かにネズミが巣を作るには、絶好の場所のようです。
とりあえず、懐中電灯で照らしながら進み、ネズミの巣をいくつか見つけ、撤去しました。
ところが、しばらくすると、どういうことでしょう?
またぞろ、天井裏を駆け巡る音、悪臭、部屋に姿を現すことなどが起こり始めました。
どうやら、天井裏の壁に穴が空いていて、そこからネズミが侵入してくるようです。
それで、また、ハシゴを使って上り、ライトを照らして、壁に開いているいくつもの穴を埋め、そうして、新たにつくられていた巣をきれいさっぱり撤去しました。
これで、もうネズミに悩まされることは完全になくなるはずです。
そうして、確かに、前よりも長い間、ネズミの兆候はなくなったのですが、それでも、不思議なことに、しばらくして、また、天井裏からネズミの音がして、ネズミのフンの悪臭もし、ネズミを部屋に見かけるようになったのです。
『一体、どういうことなんだろう?もう、引っ越しでもしないことにはダメなんだろうか?』
私は、また、天井裏に上がると、壁には新たな穴が開いていて、新たな巣ができていました。穴を埋め、巣を処理してから、私は腕を組んで考え込んでいたのですが、周りを見回して、はたと思いつきました。
『そうだ、ここは光も風も通らなくて、暗くてじめじめとしている。ネズミには絶好の場所なんだ」
私は、天井裏の窓のカーテンを引いて光をいっぱいに入れ、窓を開けて風を通すようにしました。天井裏はネズミが好むような場所では無くなったのです。
すると、もうネズミに悩まされることはなくなったのです。
もちろん、ここで言っている、ネズミの通る壁の穴を埋めることは「心に支配と邪魔を排除してもらうこと」、ネズミの巣を撤去することはFAPによるトラウマ治療、光や風を入れて環境を変えることは無意識を活性化する催眠のことです。
トラウマ治療をしても「心に支配と邪魔を排除してもらうこと」をしなければ、新たなトラウマがつくられることもあるのかもしれませんし、「心に支配と邪魔を排除をしてもらうこと」とトラウマ治療をしても無意識の活性化のための催眠をしなければ、心の環境が変わらないのかもしれません。
つまり、回復には、「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」、トラウマ除去のFAP、無意識の活性化の催眠の三位一体的アプローチが有効だと、私は思います。
こういう意味で、私は、「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」を進めるよう促しつつ、同時に、FAPや催眠も進めていくのです。