無意識さんとともに

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楽になりたいすべての人に贈る初心者講座 第8回 変わること

「そうやって、無意識さん漬けになって、意識と無意識が出会って統合されていくと、本当の変化が起きてきます」

「えーと、本当の変化ってことはそうでない変化があるってことですか?」

「なかなか鋭いことを言ってきますね」

「そうでもないです」

「えーと、前に2種類の催眠があると言いました」

「催眠術と現代催眠でしたっけ」

「それを言い換えたら、意識の催眠と無意識の催眠ということもできます」

「はい」

「意識の催眠で、意識で意識をコントロールしようとすると、自分でわかる目覚ましい変化が起きてきます」

「素晴らしいことじゃないですか」

「ところが、実質的には何も変わらないどころか、場合によったら反対のことが起きてしまう」

「そりゃ、また、どういうことですか?」

「『善をなそうとすればするほど、反対の悪をなしてしまう』という逆説が働くからです。例えば、『あなたはよくなる』という暗示をかけてもらって、意識で『自分はよくなる』と強固に信じ、まるで奇跡のように自分はよくなったと感じても、時間が経つと、元に戻ったり、返って悪化したりしてしまう」

「確かに、反動が来るような気がします」

「それなんです、意識の催眠は無理なダイエットと同じで、必ず、リバウンド、反動が来るんです。だから、実質的なものにならない」

「なるほど」

「それに対し、無意識の催眠は、そういうことはしません、『あなたはよくなる』なんていう直接的な暗示は、原則、しません。つまり、意識に働きかけることはしないんです」

「では、どうするんですか?」

「むしろ、意識のコントロールを脱コントロールして、無意識に任せます。そうして、無意識が自分の中で、自分の中にある知恵と力を解放することに委ねるのです」

「なんだか、頼りなげですね」

「意識からするとそう見えるでしょう。でも、本当の変化は、意識を働かせるのではなく、無意識が働くようにしないと、起きてこないのです」

「だから、無意識さん漬けが必要であると、言いたいわけですね」

「そうです、結局、無意識さん漬けというのは、無意識が自分の中で働く機会を与えるということなんです」

「まどろっこしいですね」

「そうかもしれません、でも実質的な変化というのは、種を土に埋めるみたいなものです。種を土に植えて、芽が出て、茎や葉を伸ばし、大きくなり、蕾をつけ、花を咲かせ、実をつけるという手順を踏む必要があります。実質的な変化はそういう着実な変化なんです」

「なんか一気に変わったらいいなあと思ってしまいます」

「わかります、だから、意識は急激な変化を求めて、なんとか自分をコントロールして変えようと踏ん張るんですが、それは逆効果になるばかりなんです」

「ああ…」

「そうして、種は知らないうちに芽が出て成長していくように、無意識による実質的な変化は、意識には気づかないものだったりします。本人よりも、周りの人が気づいたり、あるいは時間が流れて、後で振り返ると、『あれ、変わっているぞ』と気がついたりします」

「確かに、通り道に植えられた若木が、知らないうちに、大木になっていたなんてことがありますね」

「その通りです、本当の変化は、知らないうちに起こる、でも、泡のように消えることはない着実な変化なんです」

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