無意識さんとともに

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光の人〜H神父⑶

それから、時が経って、私には前のこと以上にあまりにショックなことが起きた。私は電車に乗っていたが、心が崩壊しそうでいくら止めようとしても号泣せざるを得なかった。

こんなどん底の時に頭が浮かぶのは、H神父の顔だった。

あれ以来、会っていなかったから、躊躇われたが、私には他に頼る人はなかった。

途中の駅で降りて電話をかけた。

私はハンカチでごしごし顔を拭いて、とめどもなく溢れる涙を押さえた。

そして、息を整えて、〇〇カトリック教会に電話した。

「〇〇カトリック教会です」

何と神父が直接、電話に出た。もう私のことは忘れているんじゃないかと思ったが、神父は私のことを覚えていた。

混乱してはいたが、何とか自分の状況を伝えると、神父は言った。

「教会にいらっしゃい。アパートにひとりでいるより、今のあなたにはいいと思うから」

私は、〇〇センター駅で降り、よろよろしながら教会へ行った。

神父は応接室に招いてくれて、お茶を出してくれた。

私は自分の詳しい状況を伝えようと思うのだが、言葉にはならない。体が震えて、涙が止まらない。

「大丈夫です、ここにいれば絶対安心だから」

何がどう安心なのかわからないが、不思議に体から力が抜けて震えがおさまった。

「布団を敷くから、ゆっくり休むといいよ」

しばらくして、神父に連れられていくと、清潔な畳の部屋に布団が敷かれていた。

教会学校の中高生キャンプを教会でやってるから、後で起きれたら来てみてね」

その言葉の通り、外からは中高生のはしゃぐ声が聞こえた。

私はいつの間にか、体だけでなく心も脱力して眠っていた。