「ところで、無意識さんは、無・意識で、意識で捉えられないものなら、どうやって無意識にアクセスしたらいいんですか?」
「カナメのことを聞いてきますね」
「できれば、早く楽になりたいもので」
「そうですよね、ひとつはトランス(無意識状態)に入ることです」
「トランス?それは怖いなあ!」
「トランスってどんなことをイメージしますか?」
「なんか、ドラッグとか宗教とかで、頭がぶっ飛んだ、何もわからない状態になることをイメージしますが…」
「そのイメージはどんなサングラスから来ているのでしょう?」
「ええっ、また、サングラスの話ですか?そうですね、えーっと無意識は何だか得体の知れない怖いものという見方のサングラスでしょうか?」
「おっと、鋭いですね。正解です。その見方は誰の見方でしたっけ?」
「あれ、フロイトでしたっけ」
「そうですね、フロイトのサングラスをかけて見れば、無意識は本能や欲望の押さえ込まれたもので、トランスに入って無意識的になると、本能や欲望のままの理性がぶっ飛んだ状態になるというふうになりますね」
「なるほど、違うサングラスをかけていたわけですね」
「他にトランスってどんなイメージがありますか?」
「そうですね、神様やスーパーマン、魔法使いみたいな状態になるというイメージですね」
「確かに、無意識さんが無限の知恵と力の宝庫ということからすれば、そういうことも言えますね、けれど…」
「ああ、それだけじゃないってことですね、無意識さんですね、そう、無意識さんはもうひとりの私ということですね」
「そうそうそれですよ、そうすると、トランスとは、もうひとりの私とひとつに導かれて、もうひとりの私と統合されていく状態になりますね。この私が消えてひとつになるんじゃなくて、この私と無意識さんが対等にそのままで本来の私になるという…」
「言葉としてはよくわかりませんが、感覚的には何だかわかる気もします。そうすると、トランスに入っても、意識的な私はあるということになりますね?」
「そうですね、消えるわけじゃないから、ありますよ」
「ところで、実際にトランスに入るにはどうしたらいいんですか?」
「いろいろありますけれど、まず、ひとつあげるとすると、催眠でしょうか?」
「催眠、あのう、テレビで催眠術をかけられてわんわんと吠えたりするあれでしょうか?」
「催眠術と、特にエリクソンの使った催眠は違います。詳しくは、次回お話ししますが、今日、お話ししたことで、その違いは大雑把には見極められるはずです」
「えっと」
「犬になったりするのは、どっちのサングラスでしょうか?」
「なるほど、フロイトのサングラスですね、エリクソンのサングラスではない」
「そうですね、犬になっちゃうわけですから理性がぶっ飛んだ状態で私が消えちゃった状態ですからね。エリクソンの催眠は全く違います」
「なるほどスッキリしました。さらに詳しい説明は…」
「次回をお待ちくださいね」