ある方に、「スクリプトは、１度聞けば十分なのでしょうか？それとも何度も聞く必要があるのでしょうか？」と聞かれたことに対して、お答えを差し上げました。
ご質問ですが、まず、スクリプトは一度聞くか、何回も聞くかということですね。
初級講座で話したように、スクリプトには大きく分けて２つの効果があります。
１つめは、トランスそのものに入れる効果で、２つめは、メタファーを内側に蒔いて、内面から変える効果です。
２つめについては、１度聞けばそれでいいとも言えます。種となるメタファーは１度撒かれれば、あとは無意識の力によって知らず知らず発芽するからです。
それはO先生の言う通りです（と言っても、私が以前、確認したところ、何度、何十度聞いても構わないとも言っておられましたが）。
１つめについては、これは私が例えているように、水泳と同じように、より早くより深くよりスムーズにトランスに入るようになるためです。
エリクソンは、トランスに入ることを、水泳がうまくなるのと同じように、トランスに入る能力として捉えています。
この能力を磨くためには、実際に催眠を受ければ一番いいですが、スクリプトを何度も聴いてトランスに入ることも有効です。
実際、エリクソンの弟子のひとりは、催眠を録音させてクライアントに最低10回は聞くように指示しています。そのことによって、トランスに入る能力を磨いて、最終的に自分で自分をトランスに入れるように、つまり自己催眠できるようになるためです。そのことによって、クライアントが自立できることを目指すわけです。
