さて、口を酸っぱくして言いますが、第2ステージを十分味わってから、自然と第3ステージに移っていきます。
第3ステージを目標にして頑張ると振り出しに戻ってしまいます。
支配者は、ここでまた戦術を変えるのかもしれません。
怒りは確かにエネルギーですが、怒りこそエネルギーであるとアクセントの置き具合をかえさせよう、怒りに固執させようとします。
怒りはもともとある生きるエネルギーが形を変えたものですが、怒りこそがエネルギーなのではありません。
怒りは、支配者との絆を断ち切るためのエネルギーであり、また災害時の非常用電力です。
この非常用電力で、集中して「心に支配者の支配と邪魔を排除してもらうこと」をして、通常電力に切り替わっていくのです。
ところが、支配者は、『この怒りこそエネルギーであって、他にお前のエネルギーはない』と怒りに固執させ、私に支配者を憎ませようとします。
不思議なことですが、支配者は自分が憎まれることを、なんだかんだ言って、喜ぶのです。
なぜなら、支配者を憎むことは、支配者を責め、支配者のことで頭がいっぱいになり、自分の中で支配者はより大きな存在になるからです。
つまり、私は支配者を憎むことで、支配者の支配の中に立ち戻っていくのです。
これは、実に巧妙な罠だと言えるでしょう。
この罠に陥らないためのポイントは、怒りのエネルギーを認めて非常用電力につながれて、もしかしたらこの時点で心の声も聞くことができるようになって、そこで満足してしまって、「心に支配者の支配と邪魔を排除してもらうこと」をやめないことです。
支配と邪魔の排除をしてもらうことをやめてしまうと、当然のことですが、支配と邪魔は知らないうちに増えていきます、そして、心の声の代わりに支配者がなりすますことが容易になってくるのです。そこで、『お前の人生のこの惨めさは、あの支配者のせいだ』とそそのかせば、もう一発で憎しみに囚われるようにすることができるのです。
「ええっ、一体、いつまで支配と邪魔の排除をお願い続けなければならないの?」という声が聞こえてくるようです。
答えは、「短期的にはステージ③に至るまで、長期的には一生です」
なぜかというと、ステージ③に至れば、もう支配と邪魔の排除は、すでに支配と邪魔は小さなものになっていますから、ごくごく軽い、歯磨き程度のものになります。
ほとんどの人が毎日、歯磨きして、むしろ、歯磨きできなかったら気持ち悪いと感じるように、支配と邪魔の排除もなくてはならないものになるからです。
では、ステージ②の終わりから、怒りに固執することなく、怒りのエネルギーを燃やし尽くして支配と邪魔の排除をしていくと、どんなところに行き着くのでしょう?
怒りのエネルギーを燃料として使っているのですから、しかも怒りのエネルギーとて有限ですから、だんだん怒りは小さくなってきます。
それとともに、支配者の存在はだんだん小さくなってきます。
ステージ①から②にかけて、支配者は悪魔のように強大な存在に感じられていましたが、「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」が軽くできるようになり、小さなハエを片手で払う感じになってきます。
また、生きるのに怒りという非常用電力を使っていたのですが、怒りの下にある本来の生きる力である無意識のエネルギーにエネルギー源が切り替わってきます。
支配者よりも、はるかに自分の無意識の方が力強い存在だというふうに感じられてきて、心から鬱々とした思いの雲が吹き払われてきて、青空が見えることも出てくるのです。
そうなると、
③−1 支配者が赤の他人と感じられるようになる
のです。
ただ、最初からこの③−1を目指すことはできません。最初から、③−1を目指したら、余計、混乱するか、早々に支配と邪魔の排除をすることをやめてしまうでしょう。
あくまで、①→②→③−1という順序で、各ステージを十分に味わって、自然に次のステージに進んでいくのです。
さらにわかりやすく書くために、ここでは支配と邪魔の排除をすることに限定して書きましたが、FAPや催眠を同時に続けることや、またひとりではなく適切な指導を受けてこのステージを進んでいくことも必要なこともあるでしょう。
ここまで来ると、鬱や他の精神症状もだいぶ軽くなっているはずです。
もちろん、揺り戻しや新たな支配者と出会うこと、人間関係で過敏に反応することがゼロになったわけではなく、また調子が悪い日もあるでしょうが。
そうして、ここからさらに、お風呂に入るように、歯を磨くように、トラウマ除去や無意識の活性化もしつつ、支配と邪魔の排除を続けていくと、さらに、アップアンドダウンの幅が小さくなっていきます。
心に支配と邪魔の排除をお願いしても、「支配と邪魔はない」と言われる日も出てきます。支配者の存在がアリのように小さなものに感じられてきます。まだ、どこかに残っていた支配者への恐れがゼロに近づいてきます。
そこで到達するのが、
③−2 支配者は支配することがお仕事のただの人間である
と感じられるようになってきます。
もちろん、いつもそう感じられるわけではありませんが、何かあったとしても、回復するレジリエンスが上がり、
「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」が本当に宝物のような大切なもの、もしかしたら、何よりも大切なものになるのです。
そこから先に何があるのか、今のところわからないのですが、私は「心に支配と邪魔の排除をしてもらうこと」を楽しんで続けていくだけです。
この①→②→③のプロセスを、指導を受けながら、FAPや催眠と合わせて、通過していく時間は、それることなく集中して行っていっても最短1年ぐらい、
指導なしに行なっていったら、それ以上かかるかも知れません。
けれども、森から出ようと、あれこれのことを試してはすぐやめて、いつの間にか同じところをぐるぐる回るよりも、これと思い定めて真っ直ぐ進んでいく方が近道なのではないかと思うのです。