支配しようとしてくる人たちは、どこにでもいます。
支配から脱しようとして、逃げても、またそこで自分を支配する人に出会うという不思議なことが起こります。
あるいは、「心よ、支配から私を解放してください」と何度言ったところで、私を支配しようとしてくる人たちはいなくならないのです。
そんな時、私の心を横切る思いは、『なんて支配は強大なんだろう、それに比べて私はなんてちっぽけで弱いんだろう』という思いかもしれません。
そうして、私は心に頼っても状況がちっとも良くならないことに絶望し始めたりするのです。
『こんな闘いをし続けるなら、いっそのこと、支配者に白旗あげて降参した方が楽じゃないだろうか?』
ちょっと待ってください。
根本的な誤解があるかもしれません。
心に支配と邪魔の排除をお願いするということは、私の周りから支配者がいなくなるということを、必ずしも意味するわけではありません。
奇跡的にそういうこともあるかもしれません。
けれど、そういうことがあっても、この世界に生きている以上、新たな支配者があなたの前にまた現れるでしょう。
そういうことではなく、心に支配と邪魔の排除をお願いするということは、あなたの内にある、あなたの一部となってしまっている支配者を、支配者の声を分離するということなのです。
あなたは、長年の間、支配者に支配されて生きているうちに、支配者はある意味、あなたの一部になってしまっているのです。
また、さらに、支配者は、支配者の声ではなく、あなたの声で、あなたの内側から語ります。
この2つの理由で、あなたは支配から脱することができないのです。
支配者に何か言われても、何かされても、あなたの一部が支配者になっており、あなたの声で内側から語るので、支配者の言動は、実際よりもはるかに大きく強く、神の声のように響くからです。
だから、心に支配と邪魔の排除をしてもらい続けるというのは、外側のことというよりも、あなたの内側のことです。
あなたの内側にいる支配者を抉り出して、切り離して、分離し、
あなたの声のふりをしている支配者の声を『これは自分の声ではない』と気づくためです。
それは、もしかしたら、痛みが伴うかもしれません。
けれど、あなたが癒される最短コースなのです。
これは、外在化でもあり内省でもあり、内省でもあり外在化でもあるのです。
そうして、心に支配と邪魔の排除をして、またFAPを受けて、あなたの内面から、支配者と支配者の声が抉り出され、切り離され、分離されると、
あなたは、支配者との混合物ではなくなり、支配者の暗示が取り去られて、あなたはあなたになります。
そうすると、もはや、外から支配者に何かを言われてもされても、それはそれだけのことになります。
あなたを根本的に揺るがすものにはなりません。
なぜなら、それはあなたの外のことであってあなたの内側のことではないのですから。