Aさんは体調が思わしくなく、無気力状態がひどく、布団から起きあがろうにも起き上がれません。
Aさんの旦那さんは見るからに優しそうな人で、Aさんを連れてきたのも旦那さんです。
ところが、後から発覚したのは、Aさんの旦那さんは、自己犠牲をしてAさんに尽くしつつも、自分の脳内でAさんを蹴ったり殴ったりしたそうなのです。
(O先生の本を参考にした話です)
こんなことは実際あるのでしょうか?
科学的に未だ証明されていなくても、脳のネットワークというものがあるならば、起こりうるでしょう。
脳のネットワークが繋がれて、脳で相手にしたことがリアルに相手に影響するのです。
ところで、こんなことを知らないうちにされているとして、こういう支配から逃れる手立てはあるのでしょうか?
Aさんは自分の夫がそんなことをしていることを知らなかったのですが、知って夫にやめてもらったら、体調も無気力状態も起床も良くなったそうです。
ここで、ポイントのひとつ目は、脳内で自分に対してそういうことをしているということを知る、気づくということです。
『心に聞く』とは、まさにそういうことです。
私たちは、心に聞いて、誰が私に支配と邪魔を及ぼしているか、どんなことをしているか尋ねて答えてもらうことができます。
けれど、Aさんの夫はそういうことをやめてもらったから、良くなりましたが、相手が辞めない場合はどうなるのでしょうか?
さらに、ポイントのふたつ目は、分離ということです。
人が脳のネットワークで繋がれるにしても、脳内で、それほど強力に虐待されるのは、相手が自分の一部になってしまっており、相手の声が自分の声になってしまっているからです。
もしそうでなければ、一時的にそういうことがあっても、一瞬のことですぐにネットワークは遮断されるでしょう。
ネットワークが支配者、虐待者に対して常時オープンになっているのは、相手が自分、相手の声が自分の声になっているからなのです。
ですから、そういうことがある、ありうると気づいても、そこからさらに脱することはできないのは、相手が自分の内側で、自分のふりをして、自分の声をして語るからなのです。
『信じる』とは、自分のふりをしている相手、自分の声をしている相手の声を、自分また自分の声だと信じるからです。
『何をしても無駄だよ、虐待者は、支配者はもう強大で、私が何をしても逃れることなんかできっこない』と、
相手はしらじらと自分とそっくりに語るのです。
その声を信じてしまえば、もう虐待者、支配者のものです。
最初から逃れることのできない試みが成功することなどないのですから。
これを打ち破るのが、『分離』です。
1にも2にも3にも『分離』です。
また、脳のネットワークを繋げてしまったと自分を責めても仕方ありません。
それは自分でどうのこうのできるものではないのですから。
そうではなく、ただただ、『心に支配と邪魔を排除してもらう』、これを千本ノックよろしくするのです。
そうすると、内側から、自分ではないもの、自分の声ではないものが『分離』されて、外に追い出されていきます。
ただ、虐待者や支配者を必死です。
これをされてしまっては、影響を与えて、脳内で虐待したり支配したりすることができなくなってしまうのですから。
それで、必ずといっていいほど、外でいろいろなことが起こります。
そうして、『ああ、せっかく良くなったのに、またダメになってしまった。こんなことをしても無駄なのかなあ』と絶望させようとします。
それで、『心に支配と邪魔を排除してもらう』ことを手放させ、『分離』を諦めさせるのです。
けれど、こういうことが起こるのは、お分かりですね、相手が追い詰められている証拠なのです。
『心に支配と邪魔を排除してもらう』ことを手放さずにいれば、
脳内の、私のふりをした支配者や虐待者の存在は分離されて小さくなり、姿を消し、
声もどんどん小さくなり、ついには聞こえなくなってしまうのです。