無意識さんとともに

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催眠との出会い1〜2冊の本

催眠との出会いについて書いていこうと思います。

まず、催眠と出会ったのは、中学1年生の時に買った2冊の本です。
この本は、最初、父親のプレゼントとして買ったのですが、父親は包装紙を開けるなり、「何だ、こんなつまらないもの」と言ったので、贈った私の元に戻ってきたのです。

 

2冊とももう私の手元にないのですが、確か、カッパブックスから出ていた、平井富雄という東大の大学教授の書かれた「催眠術」と「自己催眠」というタイトルの本でした。

 

「催眠術」の方は、いわゆる伝統催眠について書かれたものでした。

当時、青春ドラマで催眠をかけるというシーンがあり、左右の手を組み合わせて、親指と人差し指だけ立てて、左右の人差し指を離すところから、

「指がくっついていく、指がくっついていく、指がくっついていく…」という暗示を与えて、実際、指がくっついていくと、「さあ、催眠に入りました」というものがあったのですが、まんま、「催眠術」の本に載っていたのを覚えています。

 

「自己催眠」の方は、シュルツの自律訓練法について、書かれたもので、第1段階から第6段階まであり、自分自身に、「腕が重い、腕が重い、腕が重い」という暗示を与える練習を、結構、一生懸命にしたような気がします。

こちらの本は、「催眠術」に比べると、何だか真面目な感じで面白みが少なかったのですが、それでも、私はなぜか、自分に必要なものと思ったようです。

 

さて、学校で、これら2冊の本を、まだ革の匂いがするピカピカした黒い学生鞄に忍ばせていたところ、同じ班のS君やSさん、Aさんに見つかってしまったのです。

そうして、班学習で、Sさんの家に行った時に、催眠をやってみることになったのです。

そこのところは、小説にも書いたのですが、結局、同じ班の子達は皆、かかったふりをしてくれたようです。

交代して、今度は、友達が私にかけてくれたのですが、私自身は、かかったのかかかっていないのか、演技をしているような、それともさせられているような、不思議な感じでした。

こんな催眠ごっこは、その後、クラス全体に広まり、他の超能力やコックリさんと同じく、一時的なブームで、周りの子たちにとっても私にとっても、過ぎ去って行きました。

「自己催眠」の方は密かに続けてはいたのですが、第2段階の「腕が温かい」という先には進めなくて、これもまた、いつの間にか、諦め、押し入れの奥のおもちゃのように、忘却の彼方に消え去って行ったのです。