無意識さんとともに

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虚無の人

光があたれば影ができる。

自分が光であろうとすればするほど、影も濃くなる。

一切の影がないほどに光であろうと、影を振り切ることはできない。

そんな自分に嫌気がさして、

もう自分は影だ、闇の世界の住人だと思い定め、

影であろうとすればするほど、光はますます照らしてくる。

一切の光が射さないほどに影であろうと、光を振り切ることもできない。

実に、自分は不自由なものだと思って、

空を飛びたいと、両手両足を広げた時、

いつの間にか、空気と一体になった、空気と溶け込んだ感じがした。

その時、光と影は混じり合い、ひとつになり、もう何が光なのか何が影なのか分からなくなり、ただ、そこにいろいろな色が生まれ、ついにはそれも消えて無色透明な世界が現れ出るのかもしれない。