無意識さんとともに

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人間の3タイプ〜2−2虚無への誘惑

虚無の人は、明るい海水の中を群をなして、キラキラと光を反射させながら、右向きに周遊する魚の群れのようだ。

群れの中では誰が誰かに命令するというようなリーダーはいない。

1匹1匹の魚が、リーダーに従うのではなく、他の魚を真似するわけでもなく、ただ無意識に促される時、結果として、一体感を感じつつ、同じ向きに緩やかに泳いでいるのである。

そんな虚無の人を支配者が誘惑しようとする時、入れてくる思いがあるのかもしれない。

『毎日、毎日、ただ同じことを淡々として、知っている人たちとぶつかることもなく暮らして…何だか何もなくつまらない人生だなあ』と。

そうして、さらに支配者は心のふりをして囁いてくる。

『あなたがそんなつまらない凡人のわけないじゃないか。あなたは世界で一つだけの花、特別な存在なんだよ』

『特別な存在って?』

『あなたは光の人なんだよ』

『ええ、私が光の人?」

ほんとは光の人がそんなものであるはずはない(確かに割合は少ないかもしれないが)、けれど支配者は虚無の人を餌で釣り上げるために嘘をつく。
『そう、光の人だからもう一切のものから自由になっているんだ』

そうして、虚無の人は自分が周りの人とは違う特別な人であると思い、群れから自分で出るか、あるいは群れから追い出されるような行動を取る。

そうしたら、支配者はもう虚無の人を完全に取り込むのは簡単である。

『私の言うことを聞いたら、あなたはもっともっと特別な人になれるよ』

また、支配者は虚無の人を誘惑するのに、違う方向のやり方をしてくることもある。

『ほらっ、自分で求めても、結局、皆と同じことをしているだけじゃないか?』

『それなら、最初から自分で求めたりするのはやめて、もっと楽に皆と同じになるために、これを守ったらいいよ』
支配者は、自分で求めて無意識さんに促されることをやめさせて、手っ取り早く、人と同じことをすればいい、究極的には支配者の示す通りにすればいい、それが楽な生き方だと誘惑してくるのかもしれない。
そんな支配者の誘惑に乗るも乗らぬもまた自由である、全ては無意識さんに許されているのだから。