無意識さんとともに

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カエルの預言

今、臨床催眠講座でオルタナティブ預言というものの練習をしている。

私は、この頃、あることで体調を崩していた。昨日もいくぶん回復したとは言え、まだ調子が悪かった。

こんな調子が悪い時には、インスタントスクリプトをしたくなる。

自分が受けるのでも自分がする方でも、どちらでもいい。不思議に、催眠喚起をしてインスタンスクリプトを聞いたり、語ったりすると、落ちていた調子がV字型に逆転する。

そうしたら、ある方が、インスタントスクリプトを含めて練習をしたいとDMを頂いたので、渡に船だった。

わたしはお相手の方にインスタントスクリプトをして、息を吹き返した感じだった。

けれど、そればかりではない。そこから先が自分にとっては、とっても大きなことだった。

私が体調を崩していたのは、ある悩みが原因だった。

その悩みを相手の方にお話しして、相手の方から頂いたオルタナティブ預言は、(私はぼうっとしていたのでうろ覚えだが)、「カエルは陸でも水でも両方生きられる生物で、陸で何かあれば逃げ足速くパッと逃げて、無意識さんの水の中にポシャンと飛び込む。あなたもそんなカエルで、そんなふうに悩みをやり過ごしていくでしょう」(お相手の方、言葉通りでなくて申し訳ないです)ということだった。

それで、思い出したのが、中学時代、美術の時間にぼうっとしていた時のこと、いきなり中年すぎの女性の美術の先生(彼女は毒舌で有名だった)に言われた言葉。

「お前、ケロヨン(当時か、それ以前に流行っていたカエルのキャラクター)のように、何の悩みもなさそうな呑気そうな平和な顔しているな」

みんなはゲラゲラと笑った。

私は、その頃、あることがきっかけでクラス中に無視されていたので、この言葉はとんでもない嫌味に聞こえたし、言葉が棘のように胸に食い込んだ。

そのオルタナティブ預言を聞いた時、この言葉がすぐに思い浮かんだのだが、もう不思議に刺はなくなって、ものすごく甘美なものに聞こえた。

『そうだ、私はケロヨンなんだ、陸地でどんなことが起こっても、パッと身を翻して水の中に飛び込み、身を浸して、嫌なことをさっさと忘れて、自由に泳ぎ回れるケロヨンなんだ』と。

そして、そう言えばと、どこかで見かけた、雨の中で小さなハスの葉を傘の代わりにしているアマガエルの写真を思い出して、悩みが跡形もなく溶け去ってしまったことを感じた。

もしかしたら、あの美術の先生は嫌味ではなく、本気でそう言ったのかもしれないとまで思えるようになった。

ああ、私は、意識という陸にも、無意識という水にも、悩みもなく呑気に平和に生きられるケロヨンなのだ。