催眠に自動書記というのがあるらしい。
トランスに入って、紙に文字や絵を書きつける、場合によってはこれから自分がしようとしていることを書いていて、後から見ると予言のようにも見えたりする。
ミルトン・エリクソンも、公開で、ある女子大生に催眠をかけてトランスに入れ、自分への手紙を書かせたが、彼女が、その封筒を後になって開けると、その言葉通りになっていたという逸話を読んだことがある。
よくは覚えていないが、言葉通りというのは、その時は、彼女はある男性と婚約していたが、紙には私が結婚するのは〇〇と書かれていて、その後、婚約が破棄されて、その人と結婚することになったということである。それを後で、見てびっくりしたということである。
自分も、今、小説を書いているが、この頃に至っては、書く前に本当に何も思い浮かばない。「心よ、こんな状態で書けるの?」と聞くと、心は軽いノリで「書ける、書ける」と言う。不安に思って、「心よ、ほんと?」というと、「キーボードに手を置いてごらん」と言う。
それで、手をおいてみると、一文目が出てきて、その後、次から次へと数珠繋ぎのように、文章が出てくる。
これも自動書記なのかもしれない。
そう言えば、インスタントスクリプトも、前は悩みを聞いてあらかじめ準備をしてから出していたが、この頃は、小説を書くのと同じような出し方をしている。一文めを口に出して、その後、次から次へと、文が口から出てくるという感じである。
催眠の世界は、実に奥深い。