深い井戸には、昼間でも、水面に星が映ると言われる。
昨日もオルタナティブ預言の練習をしていた。初めての方だし、軽い悩みを相手に聞いてもらおうと思っていた。
けれど、相手の方が予想外に深い悩みをおっしゃったので、聞いている私も、どこか心の深いところのドアが開かれる感じがして、私も自分の核心部にある悩みを打ち明けた。
相手の方が話をしてくださっている間、そして終わってからも、心がお相手の心と呼応し、共鳴し、微細に振動しているのが感じられた。お相手の方も同じことを言われたので驚いた。
そして、相手の方の言葉が、私の心の水面に落ちて波紋を描くように、イメージが出てきた。
私は、小さい頃から、心に大きな穴がぽっかり空いていて、それは何をどうしても埋まることはなかった。
その穴を覗いてみると、真っ暗な底に不気味な赤い光が輝いている。それはマグマであって絶えず噴き出そうとうごめいている。
『ああ、自分が一種の火山なんだ』
私は、自分という火山が噴火してすべてを破壊し尽くさないように、この火山を埋めようと、あるいは蓋をしようとしてきたが、ムダな試みだった。
ところが、大嶋先生に出会って、FAPを受けて、催眠を知って、このマグマが生きる力そのものだと知った時に、
いつからか、いつの間にか、知らないうちに、心の穴は井戸に変わっていた。自分の存在が、マグマを噴き出す火山ではなく、水を溢れさせる井戸になっていた。
心の井戸を覗き込むと、真っ暗な中にちらちら光が輝いている。
さらに、目を凝らして見てみると、井戸の水面に空に輝く無数の星が映し出されている。
そして、井戸の水面の宇宙のひとつの星が自分なのだとしみじみ感じられるのだった。