無意識さんとともに

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キャラ愛

小説を書きたいという気持ちはずっとあったが、プロの小説家の作品を見るたびに、『私のようなものが書いていいんだろうか』という気持ちになっていた。

何というか、文章の解像度がまるで違うのである。プロの作品が1000万画素だとしたら、私の書けるものはせいぜい数万画素ではないか、そんな気がして書く気になれなかった。もっと人生の経験と知識を積んでから書こうと思っていた。

でも、気づけば、もう還暦すぎ。そして、心は小説を書くように促してくる。

心が言うには、『自分のために書くんだよ。誰かのためじゃなくて。自分の癒しと成長のために書くんだ』と言う。

と言っても、私なぞが書けるのと抵抗したのだが、軽い感じで「大丈夫、大丈夫、キーボードに手を置いたら書けるよ」と言ってくる。

それは嘘ではなく、1作目を書いて、今、2作目と3作目を書いている。

意識で書いている感じは全くしない。意識で書いていないから、いろいろなことが自分の自由にならない。無意識さんが自分を通して自由に書いているのである。

すると、面白いことが起こってきた。

まず、自分の小説の登場人物がくっきり映像で浮かんでくる。

そして、日常生活の雑用などをしている時に、小説の登場人物たちが自分の中に生きていて、勝手に会話を始めたり、いろいろな経験をしたりするシーンが流れる。
私はそれを小説に書くわけでもなく、ただ、自分の中に息づいている彼らを黙って見守っている。

そして、何だか、彼らのひとりひとりがとても愛おしく思ってしまうのである。