人間はすぐに神になりたがる。
「心に聞くこと」を通してさえもそうかもしれない。
心は神ではない、心は単に私の心だ、そんなことは十分すぎるほどわかっている。
であっても、心に、神に聞くようなことを聞いて仕舞えば、心は神にすり替わることもあり得る。
未来のこと、そして、他人のこと(もちろん、カウンセラーならば他人のことを聞くことはあるが、それは参考意見でしかない)を聞く時、支配者が心のふりをして答えることが起こることがある。
心は自分の心であってそれ以外の何ものでもないのだから、未来のことはわからない。
他人のことは他人のことであってわからないから、仮にわかるとしても、あくまで、自分のことを通して、自分の深淵を通して、自分の内省を通してわかる(というより、正確には推測する)だけだ。
だから、私は、「心に聞くこと」は、基本的に、「今、ここ、私」に関することを聞くのがよいと思っている。