無意識さんとともに

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催眠の現象学134 さらさら

8月3日、4日と、土日にかけて、フォーカシング・ネットワーク主催の「フォーカシングベーシックコース1」に行ってきました。

申し込みの際に、自分で本でフォーカシングを学んだり、ZOOMでもフォーカシングの講座をとっていたので、迷いもありました。

けれど、行ってみて、ひとりでフォーカシングをしたり、あるいはZOOMでペアフォーカシングするとしても、対面でペアフォーカシングすることとは全く違うことに驚きました。

もちろん、ひとりフォーカシングもZOOMでのペアフォーカシングも日々のものとして、有益です、でも対面で行うフォーカシングは、味わいと深さがまったく違うんです。

まず、講座が始まると、堀尾先生(フォーカシング・ネットワーク代表)の方がお話しされましたが、

それだけで、なんとも言えない、心とからだを解く渦のようなものが流れていることを、からだの感じとして感じました。

そして、ミニフォーカシングをして、「この2日間が終わった時に、どういうふうになっていたら満足できるでしょう?」(うろ覚えで言葉通りではないと思いますが)という堀尾先生の問いに、自分のからだに尋ねてみると、「さらさら」という答えが返ってきました。

「さらさら」ってアタマではナンジャコリャーという感じだったんですが、それはそれとして自分の中にとどめておきました。

そして、1日目のセッションで、堀尾先生がリスナーをされて、私がフォーカシングする機会がありました。

堀尾先生は、私のフォーカシングに対し、ごく簡単な一言だけの伝え返しをされていきました。
ところが、からだの感じを感じては、それと一緒にいて、言葉にしていく私の方では、なんとも言えない不思議な感覚を覚えました。

昔、あるカリスマ神父と言われるH神父(この方は私の命の恩人ですが)に話を聞いてもらっている時、自分の言葉が次から次へと、途方もなくあたたかいところに吸い込まれていく感覚を感じたのですが、

それと同じような感覚です。

言葉が吸い込まれていき、そうして次のからだの感じが生まれ、そのからだの感じが発光してまた言葉が生まれ、そうしてまたその言葉が吸い込まれていきます…

その繰り返しが、心とからだに心地よい地殻変動を起こし、ついには、自分の中心まで達していく…

知らない間に、私は涙を流していました。

それだけではなく、胸の中にあった大きな塊が取り去られて、ぽっかり開いたところに、あたたかい涙が満たされていくような…かすかな痛みを伴った幸福感…

堀尾先生は、「この後もワークがありますが、自分の今受けたものを大切にして味わっていてくださいね、ワークはパスしてもいいのですから」と言ってくれました。

これって一体なんだろう、そんな問いがその後、講座が終わるまで自分の中に響き続けたのを覚えています。

そうして、2日目の午後のセッションの時に、和室で、庭の小さな緑と空が見えるところで、リスナー(相手のフォーカシングを聴く人)やフォーカサー(フォーカシングする人)を交代でした時に、
今度は、満ち満ちた静寂と表現するしかないようなものを感じました(受講生同士で、何だか、お寺でフォーカシングしているみたいだねと言い合っていました)。
しかも気づくと、単に、静止した静寂というのではなく、それはどこまでも、静謐でありながら、流れている静寂でした、そう、さらさらと。

ああ、そうだったんだ、さらさら…

受講生は6名で、私以外は全員女性で、女性の中に、講師の男性2人を覗くと男性ひとりで、私は緊張するかと思ったのですが、

そんなこともなく、遠くもなく、近すぎることもなく、そもそもそんな距離を考えることなく、つまらない冗談で笑い合うような感じでした。

最後に、この2日間をからだに聞いてみて、ひとことで言い表すとしたらということでシェアしたのですが、

私のからだから出てきた言葉は、

「さらさらとこの小川は流れていくよ」という言葉でした。

この2日間、この小川が、最初から最後まで流れて、すべてを覆い尽くして流れていたんだなあと、

それだけでなく、何か、今もお腹の中をさらさらと流れ続けているのを感じるんです。

これが、プレゼンスということかもしれないなあ…