今朝、ふと以前の感覚を思い出した。
FAPを受ける前、正確に言うと、大嶋先生の本を読む前、私は何だか自分の脳が死んでいるという気がしていたのだった。
脳が死んでいるというのは、いささか、大袈裟かもしれないが、控えめに言っても、脳が萎縮してしまっていると感じていた。
というのは、鬱を長い間、患って、何かを記憶したり、本を読むことにも困難を覚えていたからだ。人生のかなりの期間、英語を教えることを生業にしていたが、英語という単語を耳にすることさえも苦痛でたまらなかった。
医者に相談したこともある。
「鬱になると脳が萎縮してしまって、元に戻らないと言いますが、本当でしょうか？」
医者は何とも微妙な顔をして、
「大丈夫ですよ」
と答えるきりだった。
記憶したり、読書したり、英語ができないだけではない。
鬱になってからというもの、世界が灰色に見えていた。灰色の燃えさしの世界で、生きているのか死んでいるのかわからなかった。そういう時期は過ぎていたのか、もう強く死にたいという気持ちはなくなっていたが、さりとて生きている実感はまるでない。何だか、辛うじて呼吸をしている感じだった。
それが、大島先生の本に出会って、「心に聞く」だとか遺伝子コードや呪文を唱えるだとか、そういう怪しげな？ことをして、さらにFAPを受けて、灰の中の残り火は燃え上がり、世界は色を取り戻し、今では、記憶したり読んだり英語をしたりすることが鬱になる前以上に容易に感じられるだけでなく、何だか、無意識さんに促されて文章まで、毎日、書いている。
あらためて、思い返すと、ものすごい驚きである。
そうして、今や、講座を受けて、自分がFAPを受けるばかりでなく、人にFAPをしようとしているのだが、
心の中では、『FAPのおかげで、無意識さんが働いて、人生が薔薇色になりました』という確信を持っているのである。
