あの本と出会ったのが、私の回復の始まりだったと思います。
私は、その本を何回も、貪るように読みました。
本の内容が、その時の私には、あまりに意外で衝撃的だったからです。
その本とは、「支配されちゃう人たち」(大嶋信頼)です。
まだ、読んだことがないのであれば、あるいは読んでもよくわからなかったのであれば、この機会にぜひ読むことをお勧めします。
この本で、私が驚愕したことは2つあります。
ひとつめは、人間には、『支配者、虚無、光の人』という3つのタイプがあるということ
ふたつめは、自分の心=無意識に支配と邪魔を排除してもらい、心に聞くこと
です。
このふたつのことはばらばらに見えますが、そうではなく、ひとつのことの裏表だと思います。
けれど、今は、順を追って話しますね。
まず、3つのタイプですが、とにかく、支配者というタイプがあることが驚天動地のものでした。
鬱でも、他の精神的な不調でもそうですが、私たちは自分の問題の原因は自分にあると思い、自分を自分でなんとかしようとし、しかし自分で自分をなんとかすることはできず、今度は他人や神に自分をなんとかしてもらおうとして、それでも他人や神が自分をなんとかすることもできず、果てしもなく自分を責め続け、そういう無限地獄のぐるぐるを忙しく回り続けます。
けれども、
私の鬱、精神的不調は、まず、私のせいではなく、支配者の支配と邪魔であるということ(外在化)が回復のために何よりも大切なことなのです。
ここが揺らいでいては、どんなにいい薬を飲もうが、どんな素晴らしい心理療法を受けようが、FAPや催眠療法を受けようが、効果は表面的なところにとどまり、同じところを行ったり来たりするだけになるでしょう。
そして、支配者がほぼ80%の人にとっては、親、特に母親ということであると言われていますが、そうであれば、母親の支配を断ち切ることが何よりも大切になってきます。
母親の支配を断ち切るといった場合、その母親とは毒親とは限りません。もしかしたら、非常に愛情深いいい母親なのかもしれません。
けれど、毒親だろうが、いい母親だろうが、鬱や精神的不調を抱える人の多くは、母親との、依存的、支配的、精神的な臍の緒が、完全に断ち切れていないのです。
その見えない臍の緒が首に絡みついて生きることができないということもあるかもしれないし、臍の緒が支配の鎖になって自分の思うところにいけないということもあるかもしれないし、あるいは臍の緒を通って、自分の中に流れ込んでくる母親の思いを自分の思いにしてしまって、自分の人生ではなく、母親の人生を生きているのかもしれません。
さらに、この母親の支配とは、目に見える母親とは限りません。
そのことについては、また、次回に話すことにいたしましょう。