無意識さんとともに

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催眠の現象学58 催眠とFAPの違い

同じシェフが、同じ卵を使って料理をしても、いろいろな卵料理があるかもしれません。
まして、卵を材料のひとつとして使う料理ならば、さらにたくさんのバリエーションがあります。

 

FAPも催眠の一種ですが、催眠とは違っているところがあると私は感じています。

 

催眠はトラウマを扱いません。

正確には、トラウマに対する反応を扱うのですが、トラウマそのものは扱いません。

現代催眠、またエリクソニアン催眠では、問題もまた、無意識がさし示してくれるサイン、またリソース(資源)として扱います。

そうして、催眠によって、心を活性化し、リソースを再発見して、無意識と意識のバランス、引いては統合を目指していくのです。

O先生が言われたように、「催眠は、ゼロからプラスにすること」なのかもしれません。

 

FAPはトラウマを扱います。

私の理解では、トラウマそのものを取り去ろうとします。

例えて、言えば、外科手術のようなものかもしれません。

メスでトラウマという患部を摘出するのです。

実際に、私がFAPを受けた時は、まさに心の外科手術みたいな感じで、その後、1週間ぐらい体が弱ったことを何度も体験しました。
(そういう意味では、手術前に、問題と折り合いをつけていたバランスは失われるかもしれません。けれど、それは再生のための破壊で、今度は新たなバランスを得ることになるのです。)

終わってしまうと、あったはずのトラウマがないという感じになりました(あくまで、私の主観です)。
「FAPは、マイナスからゼロにすること」とO先生は言っていました。

このように、シェフは同じ無意識さんであっても。催眠という料理とFAPという料理では違っているのかもしれません。

ある時、O先生にFAPを習っている時に、質問した人がいましたが、先生は、「今は催眠ではなくてFAP」と答えを返されたように、覚えています。

実に、無意識というシェフは多彩な料理を生み出すのです。
そして、それぞれの料理ごとに調理法は異なっているのですが、私たちは、同じシェフからいろいろな料理をいただくことができるのです。