この頃は、自分の頭の中にいつも冷たい、シーンとした感覚の1点を感じるんです。
どうも、この1点は、瞑想やら心の癖の改善(性癖改善)を重ねていくなかで生まれたようらしいです。
何か予想外のことが起こってパニクるとか、落ち込むとかは、もちろん、今でも当たり前のようにありますが、
以前とは違うのは、そういうなかでもこの冷たい感覚の1点が確かに頭の中に感じることなんです。
そういうパニックや落ち込みに完全に巻き込まれそうになりますが、頭の中のこの1点があることに気づくと、そこからパニックや落ち込みに巻き込まれている自分を観察するモードに切り替わるんです。
そうして、そんな自分を観察していると、パニックや落ち込みに巻き込まれてもいい、巻き込まれている自分が何だか面白い、興味深いものに思えて、
そのうち、フラットな状態に戻ってしまうんです。
この頃は、またフロイトを読み出して、自分の心の冥界めぐりを開始しているのですが、こんな、ある意味、しんどいことができるようになったのは、この頭の中の冷たい1点のおかげかもしれません。
前だったら、直視できなかったようなことを、特に恥ずかしい自分の性に関するようなことを直視できるのは、この頭の中の冷たい1点があるからなんです。
そういうことを扱うと、いろいろな感情が沸々と湧いてきます。そして、確かに、恥ずかしくなったり、痛みを感じたり、苦しくなったりするのですが、
それでも、この冷たい1点は、それらに揺るがされることなく、その1点からそれらをありのままにニュートラルに見つめているようなのです。
その1点は、自分のようでもあり、自分ではないようでもあるんです。
何か、特定の色を持った1点ではなく、透明な1点で、透明なゆえに、ないようでもありあるようでもあるんです。
灼熱の炎に巻き込まれても、決して溶けることもなく透明なままでいるクリスタルのようなその1点、
沸き立つ感情の熱さの中でも、そっとその1点に触れれば、私は全身全霊に変わらない冷ややかさを感じ、
濁った瞳を澄ませて、自分や物事を見つめることができるんです。