無意識さんとともに

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2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

聖人A 67 赦されざる罪

そんな頃だった。 僕が大学からの帰りに最寄りの駅の改札口を降りると、目の前にKさんがいた。 あのこと以来、Kさんと地元の教会で出くわすことはなくなっていた。 ミサの後の聖霊刷新の会でも姿を現さない。 それなのに、なぜ、今、ここにいるんだろう。 改…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 193 福井君との再会

藤堂さんと、福井君が一緒に、部屋に入ってきた。 福井君は、もう忍者のような格好ではなかった。派手ではないけれど、普通の格好をしている。何だか、発する雰囲気も以前と比べると、柔らかい感じがするのは気のせいだろうか? テーブルを挟んで、僕の隣に…

聖人A 66 憐れみ

夜が更けても、僕は喪黒福造の語る繁栄の福音とやらに煽られたのか、それとも単に枕がふだんと違うからなのか、なかなか眠れなかった。 寝ようとすればするほど、眠れなくなる。 そうしているうちに、ふだんは抑え込んでいるいろいろな思いや欲望が噴き上げ…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 192 クリスマスパーティの準備

藤堂さんがしてくれた催眠で、僕とはまっちは何だかぼうっとしてしまって、加えて催眠の練習をすることはできなかった。 きっとまた、する時があるのだろう。 僕がはまっちに、はまっちが僕に催眠をかける機会が…遠からず将来に。 そんなわけで、僕たちはク…

聖人A 65 台風の日に

それから、僕はたがが外れたように、自分の衝動が抑えられなくなった。 僕はひとけのないところにRさんを連れて行き、キスをせがんだ。 彼女はその度に、僕をやさしく抱きしめ、僕が小鳥のように唇をついばむのを受け入れてくれた。 僕の背中をポンポンと叩…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 191 薔薇の薫りの催眠

藤堂さんは、僕の話を何も言わずにじっと聞いていた。 そして、僕とはまっちを交互に見た。 「これからする催眠は、上地君に向けただけのものではなく、サッチのものでもあると、無意識さんが言っているようですから、おふたりのためにさせていただいてもよ…

意識と無意識の統合3〜瞑想の効果

もう少し、瞑想の効果を具体的に書いてみたい。 逆にメタ認知がないとどうなるのか、自分のことを例にとって思い出してみる。 『ああ、具合が悪い。休んだ方がいいのかな』と思うとする。 けれど、メタ認知がないと、本当に自分が具合が悪いのか、それとも詐…

聖人A 64 子どもがえり

その後も、Rさんは、少数の敵と多数のファンを作りながら、小さな世界で有名になっていった。彼女に祈ってくださいという人たちも増えてきているようだ。 反対に、僕を聖人扱いする人も、助けてほしいという人もだんだん減ってきた。 僕はお役御免になって、…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 190 藤堂さん

僕とはまっちは、それから、藤堂さんのお家にお邪魔した。 白い2階建ての洋館、そして、久しぶりに見る藤堂さんはもうどこからどう見ても、立派なお嬢様という感じで、僕は否応なく緊張するしかなかった。 「怜ちゃん、手を洗わせてくれる?」 「あらあら、…

意識と無意識の統合2〜瞑想

今、瞑想を始めた日を見てみたら、2016.1.25となっているから、もう7年以上やっていることになる。 最初の頃はHeadspaceという英語のアプリのコースをやったり、Museという頭に装着して脳波を測るガジェットを使ってみたり、原始仏教の瞑想をやってみたり… …

聖人A 63 スター誕生

困ったことになったなと僕は思った。 キリスト教の世界にも、外の世界と同じく、競争がある。 けれど、外の世界とは逆転した競争で、信仰を競う競争である。 信仰と言っても、ストレートに信仰の強さを競うといったものではなく、『こんな大きな罪を犯した私…

催眠!青春!オルタナティヴストーリー 189 2つのミサンガ

「そう言えば、私があげたうえっちのミサンガはどうなったの?」 「どうなったかな?ずっと補強し続けてきたんだけど」 僕は、左足のズボンの裾を上げてみた。 「切れてる!」 はまっちは声をあげた。 もうすでに何度も何度も補強し続けてボロボロになって色…