あなたが、日常生活の悩みでも、人間関係の悩みでも、恋愛の悩みでも、鬱などの精神的な病気の悩みでも、はたまた人生に関する悩みでも、何かしら抱えているなら、ここによい知らせがあります。
どんな悩みであっても、答えはあなたの中にあるということです。
「ふざけないでください」とあなたは言うかもしれませんね。
「自分の中に答えがあるなら、とっくに解決しているはずでしょう？」
「そうですね、あなたの中には、あなたの知らないもうひとりのあなたがいるのです。」
「ええっ、何ですって？あなたは、宗教かスピリチュアルを私に勧めようと言うのですか？」
「いや、私の言っていることは、宗教でもスピリチュアルでもありません。私の言いたいのは、あなたの無意識についてです。」
「無意識ですって、そんな当てにならないものが何の役に立つのですか？」
「いや、無意識ほど当てになるものはないんです、あなたの呼吸も、心臓の脈動も、血圧も、ホルモンバランスも、すべて無意識によって保たれているのですよ。
実に、あなたの言動のほとんどすべてが無意識によるものなんです。ただ、後付けであなたの意識が解釈して、意識が行なっているように見せていると言われているんです。」
「いや、そうであっても、無意識ってこわい気がするんですよ。フロイトでしたっけ、無意識というのは、認められない本能とか欲望とか、そんなものを押し込めて生まれるという話じゃないでしったけ？
そんな無意識を解放したら、自分が何をしでかすかたまったもんじゃないです。」
「確かに、フロイトは、無意識をそんなふうに捉えましたね。でも、ミルトン・エリクソンは、全く違うふうに無意識を捉えたんです。
無意識って鏡のようなもので、フロイトのように捉えれば、抑圧された本能や欲望の吹き溜まりが鏡に映るし、エリクソンのように捉えれば、また全然違ったものが鏡に映るんです。」
「えーと、そのエリクソンという人はどういうふうに無意識を捉えたんですか？」
「そうですね、ちょっと聞きたくなってきましたか？エリクソンは、無意識は、私たちのひとりひとりの今までのすべての経験が蓄積された、無限の知恵と力に満ちた宝物庫のように捉えたんです。」
「無限の宝物庫！」
「そうです、無限の宝物庫です。ですから、あなた自身の中に、当然、あなたのどんな悩みでも解決する知恵があり、あなたの状態を癒す力があるわけです。だから、答えはあなたの中にあるというわけですね。まあ、それだけではないんですが、まずこれだけ言っておきましょう。
ところで、フロイトの捉え方とエリクソンの捉え方と、どっちがあなたには魅力的ですか？」
「そりゃ、エリクソンの捉え方でしょう。」
「そうですか、それが聞ければ今日は十分です。では、また次回に会いましょう。」
