たっちゃんは、僕と目が合うと、にこやかに微笑んできた。
けれど、僕は心臓が鷲掴みにされたようで、寒気がしてくる。
たっちゃんは、僕と同じ中学生のはずなのに、真っ白なスーツの上下に身を包んでいた。
さらに、後ろについてきている小中学生たちに合図してマーチングを止めてから、やあと手を上げて僕の方に近寄ってくる。
僕は逃げたかったが、蛇に睨まれた蛙のように、体が動かない。
「優君、元気だった?」
まるで親友のように親しく、右手を差し出してくる。
僕はためらった、ためらったが、強力な磁力か何かが発しているように手に吸い寄せられるように手を差し出して握ってしまった。
その瞬間、眩しい光が目を直撃する。
どうやら、誰かがフラッシュを焚いて、僕たちを写真に撮ったらしい。
気がつくと、マーチングしている列の後ろに牧師とともに、キリスト教雑誌の記者らしき人がいる。
「いつも君のことを忘れないで祈っているよ」
それから、声をひそめて付け加える。
「罪人のために祈るのは僕の義務だからね」
声を出して楽しそうに笑いながら、僕の肩をポンと叩き、耳元に口を寄せて…
「ところでまだ罪を犯し続けているのかな。地獄に行く準備はできているのかい…異端者」
僕はあまりのことにその場に倒れてしまいそうだったが、必死にこらえる。
そして、彼らは、再び、『神とキリストに逆らう霊よ、この地域から出ていけ』と声に出して祈りながら、行進を続けていく。
灰色の更新が去った後、僕はもう我慢ができなくなり、泣きわめいた。
「神様、僕を見捨てたのですか?こんな、こんな、こんな汚い僕を、罪人の僕を、罪の塊にすぎない僕を。憐れんでください、憐れんでください、憐れんでください…、見捨てないでください、見捨てないでください、見捨てないでください」
電信柱に手をつき、僕は嗚咽していた、もう身も世もない状態で、酔っているのか、混乱しているのか、発作を起こしているのか、わからなかった。
周りの人は、ある人たちは僕を見て何かひそひそと呟き合い、ある人たちは関わり合いにならないように足早に逃げ去り、ある人たちは明らかに軽蔑して首を振っているように見えた。
自転車を引いて、後ろに小さな女の子を載せた若いお母さんが通りかかった。
「あのおにいちゃん、だいじょうぶ?かわいそう」
指を指し、本当に心配そうな目をして、幼い女の子が言う。
その声だけがはっきり聞こえて、僕はもう何も言えなくなって、ただただ涙だけがまた滝のように溢れてくる。
「関わり合いになっちゃだめよ」
若いお母さんはそう言いながら急いで自転車を引きながら去って行った。
僕は、ぼろ雑巾のようになりながら、よろめきながら歩いて行った。