無意識さんとともに

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2023-01-01から1年間の記事一覧

催眠の現象学36 自己催眠の味わい

ふらふらと思いがさまよい出して、とても虚しくなることがあります。 自分の外に、自分を満たしてくれて、自分を幸せにしてくれるものがないかとキョロキョロし出すんです。 そんな時は、ありえなくも、支配者のことが懐かしく思えたりします。 支配者に支配…

催眠の現象学35 自己催眠⑵

人の言葉が刺さって抜けない時、思考がぐるぐると回って止まらない時、そして、どうやっても眠れない時、私は自己催眠をします。 そうすると、人の言葉が淡雪のように消え、思考がストップし、眠れるか眠れないかがどうでもよくなってしまいます(もちろん、…

黎明〜鬱からの回復 34 2回目の発作

「えっと、智昭さん。教会員ではないですが…そうですね…教会員ではない人の意見も聞くといいかも知れませんね」 私は人をファーストネームで呼ぶのには慣れていないが、高木さんは私をそう呼んだ。 私はおずおずと立ち上がった。 「知り合いが(光のことだ)…

催眠の現象学34 人との繋がり

人との繋がりを考えてみたいです。 人との繋がりは3つあるのかもしれません。 1 類似点 2 脳のネットワーク 3 深淵を通して 1は、もう誰でもおなじみのものです。 相手と自分が似ている点を見つけて、相手との繋がりを感じたりするものです。 似たもの…

黎明〜鬱からの回復 33 総会⑶

「そうして、主管(神戸のその教会ではトップをそう呼ぶ)に直接、ルツに手を置いて祈っていただきました。 完治したわけではありませんが、その後、明らかに、娘のルツの病状は好転しています。 主管には、続けて祈りを受けることと、神の奇跡を信じる信仰…

催眠の現象学33 無意識の捉え方の革命的転換

ある方が発掘?された吉本先生の講演記録を読んで、自分がYoutubeで無意識について話したことが裏書きされたようでうれしく思いました(初心者講座第1回「無意識って?」)。見ていない方は見ていただけると幸いです。それについての感想をこちらにも載せて…

催眠の現象学32 悪夢

そう、こないだの卵焼きの話をある方からいただいた時に起こった心のピクピクがまだ続いているようなんです。 久しぶりに、悪夢を見ました。 夢の中では、私は高校生(どうやらセルフイメージは永遠の17歳らしい(笑))で、修学旅行に来ています。 修学旅行…

催眠の現象学31 クソ真面目

『冗談のひとつも言えやしない』 どこからか、そんなふうに自分を責める声が聞こえてくるんです。 クソ真面目で何の面白みもない人間、その声は立て続けに言ってきます。 誰がそんなことを私に言っているんだろうと思ってみると、記憶の中のワンシーンが浮か…

黎明〜鬱からの回復 32 総会⑵

普通のプロテスタント福音派や聖霊派の教会は、十分の一献金のところが多い。十分の一とは全収入の十分の一ということだ、他にクリスマス献金やイースター献金などの特別献金もある。そんな献金や日曜学校での奉仕も含めれば、負担はかなりのものだ。若い人…

催眠の現象学30 卵焼き

昨日は、ある人と初めて催眠の練習をしました。 最初、雑談に花が咲き、なかなか練習に入れなかったのですが、後半に、私が悩みを出して練習を始めました。 私の悩みというのは、言える範囲で言いますと、将来の見通しが見えず、まるで自分の1メートルぐら…

黎明〜鬱からの回復 31 総会⑴

礼拝の終わりに司会が言う。 「今日は、2時から総会があるので、教会でのランチの提供はありません。各自、外に買いに行ってください」 と言っても、ほとんどの人はわかっていたようで、お弁当を持ってきたり、朝来る時にコンビニで買ってきたりしていた。私…

催眠の現象学29 自己催眠⑴

呪文や遺伝子コードはすぐに効きます。すぐにというのは、数日から1ヶ月ぐらいです。ただ、効果の対象ははっきりしています。 それに比べると、自己催眠は身につけることがそもそも時間がかかります。ひとつの方法を身につけるのに、少なくとも1ヶ月ぐらい…

催眠の現象学28 なんかいいことないかなあ

意識がつぶやくんです、『なんかいいことないかなあ』って。 意識というものは、偉そうに大人ぶったとしても、本当は、自分は何もない貧しい惨めな子どもだと思っているみたいなんです。 そうして、自分のうちには、これっぽっちも何も価値あるものはないと…

催眠の現象学27 すべてのメソッドはひとつに帰りつく

「万法帰一」という言葉があるらしいです。 意味は、すべての方法はひとつのことに帰りつくということです。 心と体を調えるいろいろなメソッドがあります。 誰もがいろいろなメソッドを試して自分に合ったものを探し出そうとするのではないでしょうか?そう…

黎明〜鬱からの回復 30 間違い探し

日曜日がやって来た。 竜宮城のような格好をした駅から降りると、光が眩しく目に飛び込んでくる。 一緒に降り立った家族連れは、幼い子供を真ん中に手をつないでいている。聞こうとしなくても聞こえてくる「イルカさん」という言葉からすると、たぶん、水族…

催眠の現象学26 待ちぼうけから歩み出す

昨日のリフレクティングチームによるオープンダイアログで、私がクライアント役をさせていただきました。 私が話した悩みは「人に嫌われるのがこわい」ということでした。 ブログでこのテーマでつい最近も書いたことがあるし、一応の解決は得たようなつもり…

黎明〜鬱からの回復 29 トンネルの向こう

それから、ずっと日曜日が来るまで、私は部屋の外に行くことができなかった。ただ、閉じこもって、電気をつけることもしなかった。 闇の中で蠢く虫のように、光が怖かった。 もし、外に出たら、誰にも彼にも「裏切り者」と言われるような気がしてならなかっ…

催眠の現象学25  内臓の声を聞く

私は、もう中高生時代からずっと、頭だけで生きているみたいな人間だったと思います。 なんか、いつも体があることなんて忘れていて、いや、それどころかむしろ、体なんてない方がいい、天使みたいになれたらなんて思ってきたのです。 自分がキリスト教に入…

催眠の現象学24 人に嫌われるのがこわい

自分が人のメールにすぐ返事を出すとは限らないのに、自分が書いたメールに返事がなかなか来ないとなると、胸がしくしく痛み出します。 あるいは、自分の書いたつぶやきに『いいね』がゼロの時もそうです。 そんな時、頭の中によぎるのは、自分は相手に、あ…

黎明〜鬱からの回復 28 メール

私は、それから数回続けて、オアシスクリチャンフェローシップに通った。 教会のドアを開けて中に入り、そこにいる人たちの微笑みに迎えられると、脱力して本当にホッとする感じだった。 そのせいなのかどうなのか、あれほど割れるような痛みも幾分、おさま…

催眠の現象学23 レッテル貼りに代わるもの

「このツールの実証性について科学的根拠やデータを持っているわけではありませんが、リフレクソロジー(反射療法)は、中国で生まれて以来5千年の歴史があるとされています。道教の流れを汲んでいるという説もありますが、インカ帝国や古代中国で行われて…

黎明〜鬱からの回復 27 オアシス?

発作がおさまって、目を開けてみると、皆が私の顔を覗き込んでいて、なんだかすごくバツが悪かった。 「大丈夫?しばらく動かないでじっとしていたほうがいいわ」 私に紙袋を渡してくれた小柄な女性がそう言った。 「ヨシコ先生、食事の準備をしてもいいです…

催眠の現象学22 恐れ

恐れは最大のチャンスなのかもしれない。 支配から逃れようとして、支配が緩んでいろいろな症状がよくなってくると、支配者はありとあらゆる手を使って、自分の力の範囲内から自分の獲物が出ていかなようにする。 恐れもそのひとつだ。 何度も書いているよう…

黎明〜鬱からの回復 26 発作

最初は有給を消化していって、その次に、私は休職することになった。 「どこか、他の教会に行ってみたらいいんじゃない?礼拝に出ないと力が出ないよ」 そんなふうに、電話で光は呑気なことを言う。 だから、安全そうな他の教会を探し、日曜日に、鉛のように…

夢のかけら

女の子は、そのこじんまりした小さなブランコと大きなブランコしかないところで遊んでいたんです。 女の子は髪をおさげにして、赤いジャンパースカートを身につけていました。 見回しても、誰もそこにはいないのです。 一瞬ためらわれましたが、静かなそこに…

催眠の現象学21 無意識さんと常時接続?

「私は無意識さんと常時接続なんです」と、以前、ある人に言われた時、私は『そんなことあるわけない』と思って、色めき立ちました。 けれど、今考えると、この方が言ったことはそのとおりだと思います。 私が無意識さんとつながっていると意識していなくて…

黎明〜鬱からの回復 25 発症

光は三重に帰っていった。 私は帰るべきところを失った気がしてならなかった。もちろん、自分の親のいる家はあったけれど、そこは私のホームではなかった。 もちろん、あんなことを言われて教会にのうのうと行くことはできなかった。 けれど、それだけではな…

催眠の現象学20 緩む

ある人への返事として書いた文章です。…おっしゃる通りですね。 心を緩める催眠(現代催眠、エリクソニアン催眠…)もあれば、体を緩める催眠(レイキ、気功、ヨガ、各種ボディワーク…)もあると思っているのです。 もちろん、心と体はつながっているので、心…

催眠の現象学19 人とネットワークでつながる?

小さな頃から、人の輪に決して加わらず、孤高というか、変人の地位をしっかり守ってきました。 もちろんのこと、人の輪に加わりたいと思わなかったわけでもないです。 幼稚園の頃、新幹線の乗り物があって、みんなはそれで電車ごっこをするのですが、一度乗…

黎明〜鬱からの回復 24 塩の柱になる前に

私と光は、まるで原爆投下後の地を彷徨う幽霊のようだった。 『長崎のあの大浦天主堂でミサをあげていた信者の上に、原爆が炸裂した時、そこにいた信者たち、男も女も幼いものたちも、その一瞬のことに『神様』と呼ぶことができたのだろうか?』 私は、荷物…