無意識さんとともに

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催眠の現象学83 無意識の言葉とエネルギー

催眠は、主に言葉を使ってするものです。 言葉によって、相手を催眠喚起し、トランスに導きます。 そうして、トランスの中で、人は無意識という鏡に映すようにして、自分の本来の姿を見るのです。 以前、私は、こういう『言葉による催眠』の他に、言葉を使わ…

催眠の現象学82 昨日のFAP

ある人に言われたことだが、自分の中で、大人と子供、思考と感覚、男性性と女性性の統合が起こっているらしい。 悩み 人との繋がり、人に自分を知ってもらう、人との一体感に抵抗を感じる 主軸コード 「罪は赦された」 シロツメクサの冠を頭にのせて、白いド…

黎明〜鬱からの回復 62 解放の朝

次の日の朝、私は明け方に眠ったばかりだったが、それでも虚ろな頭で布団から起き上がり、カーテンを引いて、朝日を浴びた。 布団の脇に置いてあるテーブルこたつにうず高く積まれたゴミが見えた。 私はゴミ袋を持ってくると、ゴミを袋に分別して入れ始めた…

黎明〜鬱からの回復 62 解放の朝

次の日の朝、私は明け方に眠ったばかりだったが、それでも虚ろな頭で布団から起き上がり、カーテンを引いて、朝日を浴びた。 布団の脇に置いてあるテーブルこたつにうず高く積まれたゴミが見えた。 私はゴミ袋を持ってくると、ゴミを袋に分別して入れ始めた…

催眠の現象学81 乞食をやめてふらつく足で立ち上がる

小説を書いていて、自分が癒されるきっかけとなったターニングポイントを思い出したんです。それは、乞食であることをやめたことです。私は、いわば、母親の乞食として育てられたのです。「お前は何もできない、何も持っていない。哀れな乞食だ。けれど、私…

黎明〜鬱からの回復 61 大水の轟

その日も、お昼をとうに過ぎて、夕方近くまで眠っていた。 「今日の授業、面白かったね」 「〇〇先生のジョーク、つまらな過ぎて面白すぎる」 そんな会話がどこからともなく聞こえる。 いや、近くには私立大学附属の中高があり、そろそろ生徒が近くの道をぞ…

催眠の現象学80 揺るがないもの

この前、すさまじい悪夢を見ました。そうして、起きてからもかなりの間、強烈に覚えていました。 けれども、不思議なことに、心はぴくりとも動かないのです。恐れることもなく、まして戦うこともなく。ただ、その夢の印象を一瞥すると、心はもう全く興味を持…

黎明〜鬱からの回復 60 生ける屍

それから、私の引きこもり生活は1年、続いた。 対人恐怖はだんだんとひどくなってきて、私が外出できるのは、深夜、もう人気のいない時間だけになった。 けれど、深夜、コンビニに行く時さえ、まるで光を厭う害虫のように、コンビニの光は私には眩しすぎた…

催眠との出会い1〜2冊の本

催眠との出会いについて書いていこうと思います。まず、催眠と出会ったのは、中学1年生の時に買った2冊の本です。この本は、最初、父親のプレゼントとして買ったのですが、父親は包装紙を開けるなり、「何だ、こんなつまらないもの」と言ったので、贈った…

催眠の現象学79 俺はまだ本気を出していないだけ

「俺はまだ本気を出していないだけ」 ある映画の主人公のセリフです。 自分は努力しなくてもできる気がしてしまって、でも、やってしまったら自分が空っぽなのが人にも自分にもバレてしまうので、やらない。 自分の人生は、そんなことの連続だったような気が…

黎明〜鬱からの回復 59 回想につぐ回想

気がつくと、私は、薄暗い部屋にいた。 どれだけ、過去の回想に耽っていたことだろうか? あれから、私は光にはもちろん、藤堂さんにも一回も会っていない。 会おうとしたことはあったが、怖くて、結局、会うことはできなかった。 そうして、藤堂さんとのカ…

催眠の現象学78 神にしたら何も学べない

以前は、エリクソンは神のような存在として、崇め奉っていたのかもしれません。 ところが、今回、エリクソニアン催眠ワークショップに参加して、こんな話を聞きました。エリクソンは、クライアントから、自分の催眠はここをこうしたらもっと良くなるという点…

催眠の現象学77 奇跡も催眠?

ミルトン・エリクソンの「催眠療法ケースブック」を読んでいます。 なかなかに高度で理解できないことも多いのですが、それでも面白いなあと思うことも色々と出てきて、いつの間にか、本が付箋でいっぱいになってしまいます。 この本は、エリクソンの催眠の…

黎明〜鬱からの回復 58 落下

私は、どれだけ気絶していたことだろう。 気がつくと、私は藤堂さんの膝の上に頭があって、藤堂さんの顔がすぐ真上にあった。 「大丈夫?」 「ああ、もう大丈夫」 私は急いで起きあがろうとしたが、藤堂さんは手で私を押し留めた。 「もう少し、このままして…

催眠の現象学76 風とともに流れる

「あなたは風の音を聞くが、それがどこから来てどこへ行くのか知らない」 まさに、無意識というのは、流れる風である。 捕まえたと思っても、手からすり抜け、そう思った時にはもうどこかに行ってしまう。 どんな形にもなるが、どんな形でもない。 こうすれ…

黎明〜鬱からの回復 57 決裂

「ふざけないで。そんな全能の愛が神なら、私たちが、私が苦労して信じてきた意味がないじゃない!」 私は光の手を取ってそこに留めようとする。 けれど、光は手を振り払う。 「神様は正義の神、信じるものには報酬を与え、信じないものからは持っているもの…

催眠の現象学75 ある日のFAP後の対話

Aはカウンセラー、Bはクライアントを表します。 A: FAPをさせていただいた日の夜、「カエル」は男性性だと気がつきました。B: なるほど。「カエル」が女性性であり少女であるというのは、ちょっと違和感がありました。確かに、「カエル」が男性性という方が…

催眠の現象学74 ある日のFAP

悩み 筋トレと有酸素運動をしているけれども、糖質をとることに罪悪感がある。 糖質をとる量が少なすぎるので、有酸素運動で筋肉が分解されて、かえって筋肉量が減ってしまう。 以下、→はクライアントの言葉、( )内はカウンセラーの言葉 FAPストーリー 最…

催眠の現象学73 呪いの解除

Aさんは体調が思わしくなく、無気力状態がひどく、布団から起きあがろうにも起き上がれません。Aさんの旦那さんは見るからに優しそうな人で、Aさんを連れてきたのも旦那さんです。 ところが、後から発覚したのは、Aさんの旦那さんは、自己犠牲をしてAさんに…

催眠の現象学72 なんでもありの世界

自分の中に、いろいろなこだわりというか、これはこうでなくちゃいけないというものがたくさんあったんです。 それが、この1年で、急速になくなっていったんです。 例えば、大嶋メソッド以外ダメとか、現代催眠やエリクソニアン催眠はいいけど伝統催眠はダ…

催眠の現象学71 外在化と内省

外在化と内省はどちらも必要であり、その時々においてふさわしいものがあります。 例えば、自分で自分を責めてしまうという責めが止まらない場合、内省ではなく外在化がふさわしいのです。 そんな時に内省しようと思っても、反省になってしまい、さらに自分…

黎明〜鬱からの回復 56 隔ての壁

光の祈りは続く。 「あなたは私たちを選び、あなたの戦士として、あなたの福音を告げるものとしてくださいました。それは、あらかじめ救われることが予定されたものには喜びの福音を告げ知らせ、そうでないものには滅びの福音を告げ知らせるためです。 そう…

催眠の現象学70 支配を脱する唯一の方法

支配しようとしてくる人たちは、どこにでもいます。支配から脱しようとして、逃げても、またそこで自分を支配する人に出会うという不思議なことが起こります。 あるいは、「心よ、支配から私を解放してください」と何度言ったところで、私を支配しようとして…

催眠の現象学69 地殻変動⑸〜乱気流を突き抜けて

そうして、もう仕上げとして、もう一度、友達とFAPをした時に出て来たFAPストーリーはもう明らかだったんです。出て来た主軸コードは、『スペクトラムの色』、これは「正しい、間違っている」の白黒思考しかできなくてストレスになることを意味します。最初…

催眠の現象学68 地殻変動⑷〜ちゃぶ台返し

その前後に、私は親しい友達から、今度、FAPストーリーをいただいたんです。私の偽りの快感のコードは『圧迫』でした。このコードを出すにあたって、友達が見ていたイメージは、私は裸にされ、私の頭の上に涙を流している聖母マリヤ像がのせられているという…

催眠の現象学67 地殻変動⑶ 夢

怒りのふたが外れて、うっすらと、自分の中に蠢く怒り=リビドーの存在を知ったのですが、それがまざまざと示されたのは、夢を通してでした。夢の中で、私はフィリピン人の双子の片割れ、弟でした。その地域では、キリスト教マフィア(実際にあるらしいです…

催眠の現象学66 地殻変動⑵〜再会

私は、このモンスター、性的なものとの闘いに明け暮れていました。 この闘いに勝たななければ、まともな人間、いや、先ほども書いたように実は天使という存在になれないと思っていたのです。 もう、何の色も濁りも持たない、透明な存在、天使になれば、母に…

催眠の現象学65 地殻変動⑴〜怒りのふたを外す

「怒ってるでしょ?」 「怒ってないよ!」こんなやりとりを身近な人として、ついには本当に怒ってしまうんです。そんなことがあったような気がします。もう自分には怒りなんてないと思っていました。 確かに、ネグレクト家庭に育って、小さな頃から怒りを溜…

催眠の現象学65 地殻変動⑴〜怒りのふたを外す

「怒ってるでしょ?」 「怒ってないよ!」こんなやりとりを身近な人として、ついには本当に怒ってしまうんです。そんなことがあったような気がします。もう自分には怒りなんてないと思っていました。 確かに、ネグレクト家庭に育って、小さな頃から怒りを溜…

黎明〜鬱からの回復 55 不協和音

あまりに早く、電話があった2、3日後、光は三重からこちらにやってきた。 私の住んでいるアパートから徒歩10分のところにアパートを借りたのだ。 とりあえずは、どうしても必要な手荷物だけ持ってきて、他のものは後に実家から送ってもらうなり、購入する…