2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
支配者は神のような存在だと言えるかもしれない。 そして、敵艦に突っ込んでいく特攻隊員が最後に「お母さん」と叫び、西欧人であれば死の間際に「神様」と言うように、支配者にも、母親なる女神と父なる神がいるのかもしれない。 支配者が神のようなものだ…
もはや、僕には神様がいるのかわからなくなった。 松沢さんをクリスチャンにしてほしいと、あれほど祈ったのに何で聞いてくれなかったのか? いや、その願いはかなわなくても、神が本当に全知全能なら、僕は誘惑に屈しなかったのに、何で校舎の裏のあんなシ…
「では、また、私の言うとおり言ってみてくださいね」 藤堂先生はこともなげに言う。 「はい」 僕は緊張気味に返す。 「心よ、私は何で催眠を学びたいと思っているのですか?」 「心よ、僕は何で催眠を学びたいと思っているのですか?」 すると、間を置かな…
「昨日、お話を聞いて疑問に思ったことがあります。お尋ねしていいですか?」 「ええ、どうぞ、どうぞ。質問は私の大好物ですから」 「そうなんですか?それは変わった趣味ですね。まあ、それは置いておいて、疑問に思ったのは、確かに、無意識に関して、フ…
2 何も聞こえないという状態はどうやら2種類あるらしい。 ひとつは、感覚が麻痺していて何も感じないし聞こえないという状態(2a)。これは、1よりも前に来ることが多い。 ここから、「心に聞くこと」を始めると、2a→1→2b→3という道筋をたどるのかも…
僕は、松沢さんを置いて逃げ出したが、それでも松沢さんのことを諦めることはできなかった。 松沢さんに謝ろうとしたが、彼女は僕を無視するようになった。 加藤さんという松沢さんと僕の共通の知り合いに相談した。ただ、僕は起こったことを言うことができ…
帰り際に、はまっちを見かけた。藤堂さんと福井君も一緒だった。 藤堂先生の車でいつも帰っているから、待っていたのかな。 はまっちは僕を見つけると、いきなり駆け寄ってきた。 そして、僕の手を両手で挟むようにして、言った。 「忘れないで、待っている…
あなたが、日常生活の悩みでも、人間関係の悩みでも、恋愛の悩みでも、鬱などの精神的な病気の悩みでも、はたまた人生に関する悩みでも、何かしら抱えているなら、ここによい知らせがあります。 どんな悩みであっても、答えはあなたの中にあるということです…
必ずしも、これが一般的なパターンかはわからないが、「心に聞く」はこんなふうな段階があるのかもしれない。 1 いろいろな声が聞こえる ↓ 2 何も聞こえない ↓ 3 心の声を聞き始める 実際には、1と2が逆転したり、2から始まったり、いろいろだろうが、…
ある日も、松沢さんと一緒に帰っていた。 「ねえ、これから多摩湖に行かない?」 「今から行ったら、かなり遅くなっちゃうよ」 「私は構わないけど、優君は困るの?」 まるで、ネズミを前にした猫のような顔で聞いてくる。僕は何だか、頭が痺れてきてしまう…
「どういうことかな?」 藤堂先生は特に驚いた様子もない。 「先生から催眠を教えてほしいんです」 ぼくは、再度、今までにないぐらいはっきり言った。 「私の部屋で話そうか」 藤堂先生と僕は、シャガールの絵のかけてある部屋に移動した。 どっしりとした…
さて、いい加減、心の声が聞こえるようになってきた後のことを書こうとも思うのだが、心がそれを許さない。 同じことを何度も言っているような気がしてならないが、「心に聞く」ということは心に聞こうとすることではない。 そういうことでは絶対にない。 そ…
「あなたは価値がない」、「あなたは馬鹿だ」、「あなたは何の取り柄もない」、「あなたは醜い」…などと言われたら、それらの言葉を退けるのはそれほど難しくないかもしれない。 けれど、「私は価値がない」、「私は馬鹿だ」、「私は何の取り柄もない」、「…
藤沢さんは、急に僕に冷たい態度を取るようになった。僕に対して人のいい笑顔は消えて氷の視線で見られるのは辛かった。 もちろん、それだけではない。 藤沢さんが言ったのかどうかわからないが、クラスのみんなが僕を無視するようになった。 もちろん、僕に…
戦争の時、特攻隊が敵の戦艦に突っ込んでいくまさに最後の時に言った言葉は、『お母さん』という言葉だったとよく言われる。 これがアメリカ人やヨーロッパ人なら、『神様』と言うだろう。 してみると、日本人にとって、母親が神となっていることは自明なの…
ぼくは、はまっちにどこの高校に行くのかさえ聞けなかった。何だか、聞いてしまったらもうこのまま二度と会えなそうなことが確定事項になってしまうようで怖かった。 そして、そんなことも聞けないうちに、卒業シーズンを迎えていた。 無限塾もいったん、こ…
支配を心に排除してもらって、支配者の支配が緩むと、寂しさや孤独感が出てくるばかりではなく、怒り、人や自分を責める感情、罪意識、自己嫌悪…などありとあらゆる感情が噴き出てくることもある。 これはどうしてかというと、1つには、支配という繭や子宮…
福岡君とのことは僕にとってショックだった。 僕は、教会ではうまくやれるようになったし、神谷先生の再来とまで言われて自信を持つようになっていた。 あれほど僕を悩ませた性的な妄想もぴたりとなくなっていた。 僕は愛に満ちた清い存在になったような気が…
そうこうしているうちに、あっという間に、高校受験を迎えた。 結局、ぼくは明治学院東村山高校が第1志望で、滑り止めは地元の都立□□高校。 本当は、もっと上のレベルの学校を滑り止めにもできたはずだが、母親の強力なプッシュで滑り止めは譲らざるを得な…
大空を1匹で飛んでいる鳥を見る時、人はさまざまな感じ方をする。 『ああ、何にも縛られずに、ほんとに自由だなあ』と感じることもあれば、 『ひとりぼっちで飛んでいてどんなに寂しいことだろう』と感じることもある。 今度は、大勢の人に囲まれている時に…
虚無の人は、明るい海水の中を群をなして、キラキラと光を反射させながら、右向きに周遊する魚の群れのようだ。 群れの中では誰が誰かに命令するというようなリーダーはいない。 1匹1匹の魚が、リーダーに従うのではなく、他の魚を真似するわけでもなく、…
僕は、福岡君にキリストの愛を伝えなければならないと思った。 福岡君自身は、僕がクリスチャンであろうと、それを気にしているような態度はまったく見せなかった。 もちろん、キリスト教に関心を持っているようにもまったく見えなかったが。 ある日も、彼は…
ぼくが蹴った小石はまっすぐ転がるかと思われたが、途中で曲がって傍に転がっていった。 ぼくは大人になりたいのだろうか? ほんとのところはどうなのか、自分の気持ちがわからない。 中3になると、なんだか時間の流れが急に速くなったようだった。 慌ただ…
そうやって、心に支配と邪魔の排除を1000本ノックのようにお願いしていくと、この前書いたように、心と体が軽くなっていく感じを覚えることもあれば、むしろ、寂しさや孤独を覚えることもある。 どうして、支配と邪魔が減っているはずなのに、寂しさや孤独を…
高1の時、僕には福岡君という親友ができた。 彼とは何でも話すことができた。 福岡君の親は自衛隊の幹部らしく、割と裕福だった。もっとも、母子家庭の僕からしたら、ほとんど誰も彼も皆裕福に見えたのだったが。 映画や音楽を愛好していた。僕は映画館に行…
それから、ぼくたちの間には、距離が生まれたようだった、あるいはこう言ってもいい、接近して交わるかと思われたそれぞれの道がまた離れていくかのような。 塾で顔を合わせると、笑顔で「こんにちは」とか「元気」とかいう言葉を交わしたが、それ以上の会話…
支配者また邪魔する人の支配と排除は、欲張らない。 最初は、心が支配者また邪魔する人だと教えてくれた人、ひとりだけに集中して構わない。 そして、「邪魔を排除したよ」という声が聞こえなくても、集中してある期間行えば、「ネットワークの切断」や「PYY…
光の人は鏡だと言った。 私が光の人という言葉から連想するのは、ウルトラマンである。 ウルトラマンはM78星雲にある光の国からやってきた正義の味方である。 だから、光の人と聞くと、そういうウルトラマンのような完全無欠の正義の味方、超人のようなも…
僕は、牧師見習いとして、教会で説教するようになった。 最初のうちは、説教する聖書の箇所を100回ぐらい、暗記するほど読み込み、註解書と呼ばれる聖書の参考書をたくさん牧師に貸してもらって研究し、ノートを作って、ガチガチに緊張して皆の前に立って、…
頭ではわかっているが、胸がしくしく痛み続ける。 ぼくたちは場所を変えて、パレードを見た。 座るところがなくて、縁石に座るしかない。ぼくは、はまっちのために、自分のハンカチをポケットから出して、縁石に敷いた。 「ここに座って、はまっち、じゃなく…